トップ > 中日新聞しずおか > 朝夕刊 > 記事

ここから本文

朝夕刊

「4815だって11」 浜松駅の切符がメッセージ

JR浜松駅で11月11日午前11時11分に購入した切符

写真

 「きょうは令和1年11月11日だから11時11分の1並びを狙って切符を買う人がいないか取材して」という上司の命令でJR浜松駅に向かった。が、あてが外れ、その時間に切符を買う人は一人も見当たらない。仕方なく自分で買ってはみたが、上司に報告すると「じゃ、夕刊はボツで!」。

 11(月)11(日)11(時)11(分)と1が八つ並んだ切符。少し後で気になったのは一枚一枚、番号が違う券番の数字「4815」だった。「よわいこ」って読める。

 思い出したのは、以前に取材で出会ったある少年のこと。母子家庭で育ち、小・中学校でいじめに遭い、高校には行かず、4年間、自宅に引きこもった。生活保護が必要なほど、暮らしに余裕もなかった。

 そんな少年がこの夏、少し変わった。気に掛けてくれる大人たちの声に耳を傾け、弱い自分と「向き合ってみた」から。自宅から外へ出る、そんな小さな一歩を重ね、19歳のこの夏、仕事を始めた。世の中、強い人間ばかりじゃない。「4815だって、11んだ…」。何となく、うれしくなって切符を財布にしまった。

 ◇ 

 11日午後、坂本記者が買った切符の写真を本紙公式ツイッター「中日新聞しずおか」にアップしたところ、11日午後11時11分現在で「いいね」が4200を超えるなど、たくさんの反響があり、朝刊ではボツになりませんでした。

(坂本圭佑)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索