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豚コレラ対策 ワクチン早期接種を県に要望

難波喬司副知事に要望書を渡す中嶋克巳会長(右)=21日、県庁で

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 家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の野生イノシシへの感染が静岡県内で確認されたことを受け、県養豚協会は二十一日、豚へのワクチン接種を早急に実施するよう、県に要望した。接種には対象地域や必要な数量などを盛り込んだプログラムを作成し、国の審査を受ける必要があり、県は作成を急ぎ、十一月上旬の接種実施を目指す。

 要望では、ワクチンの早期接種のほか、種豚生産・子豚出荷農場への補償と支援、防護柵設置費の助成などを求めている。養豚協会の中嶋克巳会長から要望書を受け取った難波喬司副知事は「速やかに対応する。農家らに不利益にならないようにしたい」と応じた。

 農林水産省の指針によると、ワクチン接種後は、生きた豚や受精卵などの接種地域外への出荷が制限される。精肉や加工品の流通は制限されない。

 富士宮市で種豚業を営む「富士農場サービス」の桑原康さん(66)は「全国の生産者が打撃を受ける」と出荷制限に懸念を示す。各地の研究機関に豚の精液を提供しており「中断すれば、育種改良などの研究も進まなくなる。国は五年、十年先を見据え、本州全体など広域的にワクチンを打つべきだ」と話した。

 豚コレラは、藤枝市岡部町の路上で十七日に死んでいた野生のイノシシで確認された。県内の養豚関係者間には、なぜ感染が確認されている愛知・長野県境から数十キロも離れた県中部だったのか、疑問が広がっている。

 宮崎大の末吉益雄教授(家畜衛生学)は台風19号の影響を挙げ「被害が大きかった長野など上流から、危険を感じた野生イノシシが逃げてきたのでは」と推測。ウイルスが付着した人や車が媒介した可能性も指摘した。

 十分に加熱されていない豚肉が海外から持ち込まれ、感染源となる恐れもある。末吉教授は「北海道や九州など今後、日本のどこでも感染のリスクはある」と述べた。

(三宅千智)

 

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