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業者側、他にも僅差落札 沼津市官製談合

◆正確な内部情報入手か

(左)植松秀年容疑者(右)筑木和正容疑者=沼津市提供

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 沼津市が発注した駐輪場改修工事を巡り、公競売入札妨害容疑などの疑いで沼津市職員の筑木(ちくぎ)和正容疑者(62)=伊豆の国市北江間=ら三人が逮捕された事件で、三星建設工業(沼津市岡宮)はこの三年間に二十三件の市発注工事を落札し、うち十件は、最低制限価格と落札額の差が十万円以内だった。県警は駐輪場改修工事以外でも入札情報の漏えいがあった可能性を調べている。

 最低制限価格は、適正な施工を目的に行政が自ら最低限必要な経費を見積もり、あらかじめ設定する。かつてまん延した手抜き工事や下請けいじめを防ぐためで、業者がその額を下回る応札をすれば、無効。沼津市によると、市には独自の算出式があり、予定価格が決まれば自動的に最低制限価格も決まる。

 沼津市の公表資料によると、三星は二〇一七年四月から今年九月までに、市が発注した計七十一件の入札に参加し、二十三件を落札した。最低制限価格と落札額の差は十件で二千〜九万五千円にとどまり、一七年十二月に三千六百八十二万円で落札した宅地整地事業は二万六千円、同年八月に二千万円で落札した配水池耐震補強事業は二千円だった。

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 逮捕容疑となったJR原駅駐輪場の改修工事でも、最低制限価格の二千二百八十九万円に対し、三万円差の二千二百九十二万円で落札していた(額はいずれも税抜き)。

 三星が落札した十件で、三星に次ぐ額を応札した他社を調べると、最低制限価格と落札額の差は六万〜百八十万円で、一七年八月の配水池耐震補強事業では他社は最低制限価格を下回った。三星は複数の入札で正確な内部情報を入手していた可能性があると県警はみている。

 民間調査会社によると、三星の売り上げはここ数年右肩上がりで、一七年度は約六億三千万円。三年前に比べ倍以上に伸びた。市の資料によると、市発注工事の受注総額は一九年度が二億九千万円、一八年度が約三億七千万円、一七年度が約二億八千万円。

 逮捕容疑では、三月にあったJR原駅の駐輪場改修工事の入札で、元沼津市職員の無職植松秀年容疑者(69)=沼津市大岡=が筑木容疑者から聞き出した予定価格などを、一月下旬ごろ、三星建設工業社長、植松真一容疑者(47)=沼津市白銀町=に漏らし、入札を妨害したとされる。

工事入札の際に官製談合があった疑いのあるJR原駅の駐輪場=沼津市原で

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 植松秀年容疑者は筑木容疑者の元上司。秀年容疑者をよく知る市職員OBは「頭が切れ、リスクを恐れず仕事をするタイプ。業者を巻き込んでゴルフするなど、業者の懐に入って仕事をするタイプ。普通の公務員のやり方ではない」と語った。

 県警は十九日、沼津市役所や三星など十六カ所を家宅捜索した。関係資料を押収し、予定価格が業者側に伝わった経緯や金品の授受を含め、三人の動機などを調べる。

 

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