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覆う泥水 菊川の住民らが復旧に汗

浸水した店内の後片付けに追われる人たち=菊川市下平川で

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 十二日夜、伊豆半島に上陸し、全国で甚大な被害をもたらした台風19号。県内でも菊川市や沼津市などで川の水があふれ、田んぼや住宅街を覆った。一夜明け、各地で住民たちが後片付けに追われた一方、被災した住民を元気づけようと祭りが繰り広げられた地域もあった。

 十三日朝、幾つもの中小河川が流れる菊川市南部では、冠水した田んぼに突っ込んだ車が複数見られ、浸水被害の大きさをうかがわせた。水はほとんど引き、住民らは早朝から片付けに汗を流した。

 同市下平川では、牛淵川の支流の水があふれ、岳洋中学校周辺は一時、道路との境が分からなくなるほどに冠水した。地元の岳洋自治会の調べでは、地区の三分の一強の家が浸水したという。

台風19号の上陸から一夜明け、冠水した道路に置かれたままの車=菊川市河東で

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 床上まで自宅が浸水した会社員山本伸一さん(48)は、膝まで水が届いたという。台風が近づき、「噴水みたいに、水が一気に床や玄関からあふれてきた。とても逃げられる状態ではなかった」と振り返った。

 一時は停電して暗い中、雑巾などを使い、夜通しで排水を続け、水に漬かった冷蔵庫や洗濯機、ソファなどを外に出した。額の汗を拭い、「もう処分するしかない。こんなにひどい被害になるとは思わなかった」とため息をついた。

床上の膝ほどまで浸水した山本伸一さん方=菊川市下平川で

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 十二日は臨時休業だった居酒屋「月よし」も、店の中まで水が入り込んだ。店主の松下芳則さん(70)は、テレビのニュースで「牛淵川が氾濫した」という速報が流れた際、離れて暮らす二人の子供から電話があったという。「もともと水害の多い地域だけど、初めての体験だった」と話した。

 一夜明けて、店を掃除していると、友人やなじみの客ら五人が訪ねてきて手伝ってくれた。そのおかげで日が高くなる前に片付き、「こんなことで店をやっていて良かったと思える日が来るなんて」と目を細めた。

 市南部だけではなく市内全域の川に近い道路では、流れ着いた稲わらがたまっていた。その一つ、同市本所の菊川中央こども園の前では、職員や近くの住民が「これ、どうすればいいんだろう」と困った様子で、熊手やほうきで寄せ集めていた。

(鈴木凜平、篠塚辰徳)

 

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