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冠水の街「怖い」 菊川・下平川地区

 街が水浸しになり、見慣れた光景が一変した。三連休の初日に列島を襲った台風19号の上陸を受け、避難所には早朝から身を寄せる住民が相次いだ。菊川市では住宅が浸水する被害もあり、途方に暮れる住民の声が聞かれた。

 大雨がやんだ午後八時すぎ、激しい冠水があった菊川市下平川地区を歩いた。県道掛川浜岡線を南に向かう。牛淵川などがそばを流れる。

 「この先、気を付けて」。沿道に住む佐野せつ子さん(70)が声を掛けてくれた。雨風が弱まり、外の様子を見に来たという。近くの道は水につかり、自宅も床下浸水した。シャッターを閉めた倉庫の中は見ていない。「どうなっているのか、怖くて」

 静岡銀行小笠支店脇の信号交差点は、四方を水に囲まれていた。水深は三〇センチほどで、乗用車が二台、立ち往生していた。うち一台の運転手の男性警備員(62)は「どうしたものか…」と腕を組んでいた。工場警備の仕事に向かう途中、深さに気付かず突っ込んでしまったという。「何でこんな日に仕事があるのかね」と曇天の空をにらんだ。

 県道を見渡すと、およそ四百メートルにわたって冠水していた。「前代未聞だ」「裏の家が床上浸水だって」。そんな会話があちこちで聞こえた。若い夫婦に「岳洋中学校の方がもっとひどいらしい」と聞いて東へ向かった。途中、植木鉢やクッキー缶、長さ六メートルの竹が流れていた。家も田んぼも水につかっている。

 中学校は敷地内が一面、水浸しだった。水深は股下まであり、低い所へ向かって強い流れができ、歩くのも大変だ。奥の方から若い男性がやってきた。

 「この辺りで竹を見ませんでしたか」。仲程秀光さん(28)は、土日に予定していた秋祭りで屋台を引き回す時に電線をよけるために使う竹を準備していたという。来る途中に見たと伝えると、「ありがとうございます」と感謝された。でも表情は暗いまま。「明日、どうなっているでしょうね。祭り、できるのかな…」

 県道の水は、午後十時ごろには引いていた。

(鈴木凜平)

◆県内JR私鉄は全線終日運休 高速もほぼ通行止め

 台風19号の影響で、静岡県内を走るJRの東海道新幹線と在来線五線、遠州鉄道など私鉄七線は十二日、ほぼ終日運休した。十三日は各線とも安全を確認し次第、運行を再開する。

 中日本高速道路などによると、午後五時現在で東名、新東名、中部横断道は静岡県内のほぼ全区間で通行止め。国道や県道の五十カ所が雨量や高波、浸水の影響で通行止めになった。解除時期はいずれも未定。

 静岡空港では、十二日発着の国内・国際線二十四便全てが欠航。十三日はフジドリームエアラインズの福岡、出雲便の二便が欠航となる。

 

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