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最大級の台風怖い 浜松住民ら早め避難

避難所で心配そうにスマホを見つめる人たち=12日午前、浜松市南区の芳川小で

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 大型で非常に強い勢力を維持したまま、静岡県内に近づいてきた台風19号。千二百人超の犠牲者を出した狩野川台風に匹敵する甚大な被害を恐れ、浜松市内では高齢者らが一時避難。実施した即売会も途中で休止を余儀なくされた。市内のスーパーでは、万が一に備え、買い物客らが食料品を買い込んだ。

 浜松市では小中学校や協働センターなど六十カ所に避難所が設けられた。

 同市南区の芳川小学校の体育館には午前十時ごろ、約二十人が避難した。市の職員は「これまでの台風では二、三人しか来なかったが、今回は多い」と驚いていた。

 同区四本松町の西村なつ子さん(71)は、ニュースなどで流れる「最大級」という言葉を聞き、近所の知人と初めて避難所を訪れた。「(台風15号による)千葉の被害が頭をよぎった。家電や貴重品は二階に上げたけど、どうなることやら…」と不安そうに窓から外の様子をうかがっていた。

 同市天竜区の避難所の一つ、市二俣協働センターには午前十一時までに八世帯十三人が身を寄せた。

 近くの柏崎吉蔵さん(79)、幸子さん(78)夫妻は家族の車で来た。幸子さんは腰の手術を受けたばかりで「動きづらく、すぐ逃げられないから」と、つえを手に椅子に腰掛けた。初めての避難で、吉蔵さんは「今回は大型。年も年なので」と話した。

 町内から歩いてきた女性(77)は「ガラス窓が割れたり、雨漏りしたりしないか不安。千葉のこともあったので、それを恐れてきた」と雨の様子を気にした。 (松島京太、島将之)

◆スーパー、給油に列

水しぶきをあげて走る車=12日午前10時26分、浜松市東区で

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 浜松市内のスーパーや給油所には、食料品やガソリンを求める人たちが相次いだ。

 同市南区のスーパーでは、入り口に「午後一時に閉店します」と張り紙が出され、開店直後から多くの人が来店。大きめのペットボトル飲料やカップ麺などを買い込んだ。七十代男性は「もっと早く準備しておけばよかった。気を付けて帰ります」と傘で雨をよけながら帰っていった。

 同市東区のセルフ式給油所は目立った混雑はなかったが、ひっきりなしに車が訪れていた。

(鈴木凜平)

◆浜北・植木まつり一時休止に

 浜松市浜北区のJAとぴあ浜松浜北営農緑花木センターでは十二日、植木類の即売会「秋の植木まつり」が午前九時に始まったが、台風19号の影響で午前十一時に休止した。

 例年は開催期間中に約二万人の来場があるが、この日の来客は十人ほど。午前十時半から予定されていた感謝祭やもち投げも取りやめた。中野岳夫センター長は(48)は「安全のためには休止も仕方ない」と話した。

 植木まつりは十四日まで。晴れれば、十三日から通常通りバザーや寄せ植え講習のイベントを開く。 (糸井絢子)

◆記録的勢力、衰えず 海水温の高さ影響か

 非常に強い台風19号は、記録的な勢力を維持したまま北上している。これほど台風が発達し、衰えにくい背景には、海水温の高さがある。専門家は「海洋の温暖化が進行している表れではないか」と指摘する。

 台風19号が勢力を増した日本のはるか南海上は、海面水温が二九〜三〇度と、平年より一〜二度ほど高い状態が続いている。この暖かい海域で、水蒸気をたっぷりと海面から補給され、一時は最高ランクの「猛烈な台風」まで発達した。

 気象庁予報課は「水温の高い所を通ってくるため、なかなか勢力を弱めない」と説明。台風は海面水温が二七度以上だと発達するとされるが、本州の南岸付近まで二七度以上の海域が広がっており、上陸直前まで勢力が落ちにくい状況だ。

 天気キャスターで気象予報士の森朗さんは「海面だけでなく、その下の深さ数十メートルぐらいまで水温が高い可能性がある。海面の下まで水温が高いと、先に通っていった台風が海水をかき混ぜても海面水温は下がらない。海の温暖化で台風が発達しやすい環境になっているのでは」と推測する。

 さらに「台風19号の発生時、周辺にはほかに目立った雲がなかった。二つの低気圧に分散したりせず、一カ所にエネルギーが集中する形になった。また、蛇行した黒潮の流れが速いことも、南からの暖かい水の供給を強めているかもしれない」と森さんはみている。

(宇佐見昭彦)

 

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