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盛り上げろ中学野球熱 清水にクラブ誕生

◆市職員発案 市民や企業も協力

静岡市清水区内の各中学校から集まった「清水ベースボールクラブ」の選手を指導する梅沢裕司さん(奥右から2人目)と遠藤泰久さん(奥右)ら=静岡市清水区の蒲原中学校で

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 「サッカー王国」で知られる静岡市清水区。子どもたちのサッカー人気は根強く、区内の三校に一校近くは野球部員が九人に満たない中、一風変わった中学生対象の野球クラブが今春、誕生した。市民と学校、野球連盟、地元企業が連携して、野球熱を高めようと挑戦している。

 夏休み明けの九月上旬、清水区の蒲原中学校グラウンドで球児二十人が白球を追っていた。盛況な野球部だなと思いきや、実は区内七校の野球部に所属する生徒たちの集まり。今春発足した区内唯一の軟式野球チーム「清水ベースボールクラブ」の選手たちだ。

 静岡市内では今夏から全国的にも珍しい「部活動の日数制限」が本格化した。野球経験が豊富な指導者不足や、原則週四日の部活動に物足りなさを感じている生徒の練習機会を確保しようと、地元少年野球チームで指導している市職員の梅沢裕司さん(46)と遠藤泰久さん(41)がクラブ創設を発案した。

 「中学に進学した教え子が『部活じゃ物足りない』と少年野球に練習に来る姿を見て、どうにかしないといけないと思った」と梅沢さん。選手の奪い合いにならないよう、自校の野球部に所属していることを条件にクラブ加入を認め、各野球部の顧問とも連携し、部活動のない日や時間に練習している。

 これまで清水区内に軟式野球クラブはなく、高校野球で活躍を目指す生徒はほとんどが区外に流出。中学の野球部員は減り、野球部が廃部になった由比中学校を除く区内十五校のうち六校は部員が九人以下に。試合が成立せず、大会に出場するには他校との合同チームで出なければならない。

 部員八人の清水袖師中二年、吉田光希さん(14)は「捕球したボールの返球を受ける人手がないので、ノックでは捕球して終わりにするなど練習を工夫している」と明かす。

 クラブの練習は各校の施設を使う。新たな地域スポーツのあり方を応援しようと、地元企業も練習道具や練習着を提供する。主将の平田渉さん(13)=清水庵原中二年=は「部活には物足りなさがあったが、ここは大人数で試合に近い形で練習でき、他校のライバルと競い合えるのも魅力」と目を輝かせる。

 今後、学校単位を条件としない大会に出場を予定する。梅沢さんは「クラブ設立を知って区内の野球部に入った子もいる。目指すのは部活動との相乗効果。教員の働き方改革や部活のあり方を巡る議論が活性化する中、中学生スポーツのあり方のモデルになれれば」と話している。

(五十幡将之)

 <静岡市の部活動の日数制限> 教師や生徒の負担軽減を目的に2018年2月にガイドラインを策定。活動は平日3日(原則として火、水、金曜日)と休日1日(土・日曜のいずれか)の週計4日間を上限にする。週2日以上の休養日を設けるとした国や県のガイドラインより厳しく、スポーツ庁によると、全都道府県と政令指定都市で週4日は静岡市のみ。18年4月から試行し、今年8月から本格実施した。

 

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