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障害者の歯守れ 浜松市歯科医師会

◆日常ケア 施設職員らと連携

地域の歯科医師が障害者の歯科医療について学ぶ研修会=浜松市中区鴨江の市口腔保健医療センターで

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 障害者が身近な歯科医院で診療を受けられるよう、浜松市歯科医師会が、歯科医師のレベルアップや、障害者の家族、関連施設と連携した全国的にも珍しい取り組みを始めている。地域が一体となり、障害者歯科医療の裾野を広げようという試みで、二十八日には、幅広い関係者が集うイベントを開催。障害者の歯を守る、絆の強化へ新たな一歩を刻む。

 同市中区鴨江の市口腔(こうくう)保健医療センターで五日にあった市内の歯科医療従事者向けの研修会。「偉いね」「上手だね」。治療椅子に座った障害者の女児(9つ)へ手本役の歯科医師が優しく声をかける。参加した渋谷デンタルオフィス(同市東区)の歯科衛生士、長谷川媛乃さん(21)は「常に声掛けをして、不安を取り除いてあげることが大事だと分かった。普段の診療の参考にしたい」と話した。

 市歯科医師会によると、障害者の場合、歯磨きが苦手だったり、治療がうまく受けられなかったりして、歯周病などの疾患が重症化してしまうケースが少なくない。家族や施設職員が迷惑をかけると心配し、連れて行くのをためらったりすることもある。

 市歯科医師会は患者に身近な歯科医療を提供できるように、障害者の診療に理解がある百二十一医院(八月現在)をホームページなどで公開している。さらに月に一度は研修会を開き、多くの歯科医療従事者に適切な障害者診療を学んでもらっている。

 例えば、自閉症の人は音の刺激が苦手な場合があり、耳当てで音を遮断し、口頭ではなくイラストを使って治療方法を説明する。ダウン症の人は歯並びが悪いケースもあり、歯周病にならないよう若い時から定期的な口腔ケアを呼び掛ける。

 現状では、協力医院ごとに医師の習熟度や施設のバリアフリーに差があるというが、市全体でこうした知識と技術のレベルアップを図っていく。

 また、市歯科医師会の大野守弘会長(65)は「治療をしなくても良いような家庭や施設での予防も大事」とも強調。歯科医師だけでは限界がある日ごろのケアなど、障害者に関わる多くの人との連携を模索する。

 二十八日には、中区の浜松歯科衛生士学校で障害者やその家族、施設職員を招いた意見交換の場を初めて設ける。歯科医師や歯科衛生士らが講演した後、質問や意見を受け付ける。午後二時〜四時半。問い合わせは県歯科医師会=054(283)2591=へ。

(鎌倉優太)

 

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