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長寿の秘訣は? 浜松市動物園のムカとハマコ

 ご長寿がめでたいのは人間だけではない。浜松市動物園(西区舘山寺町)には人の世の喧噪(けんそう)を横目に、全国有数のご長寿動物たちが元気にマイペースで年輪を重ねている。十六日の敬老の日を前に、「おめでとうございます」を言いたくて、園を訪ねた。

◆マイペース生活

オランウータン・ムカ 49歳

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 「ご長寿」と言えば、園で真っ先に名前が挙がるのがスマトラオランウータンのムカ(雌)だ。一九七〇年に東山動植物園(名古屋市)で生まれた四十九歳。スマトラオランウータンでは国内二番目、最高齢と一カ月しか違わない、長老だ。

 屋外の遊び場とガラス張りの寝室を行ったり来たり。年齢のせいか、やけに動きが遅いと思ったら「オランウータンの中でも、特におっとりなんです」と飼育員の鈴木健太さん(28)。

 飼育員が遊び場と寝室をつなぐ扉を勝手に閉めるのは厳禁。「閉めていい?」と許可を求めると、「OK」の時は飼育員を見て手をたたくという。鈴木さんは「閉じ込めるなど嫌なことをしたら何年も覚えている。ストレスを感じずに暮らせるように気を付けており、マイペースでのんびりすることが長寿の秘訣(ひけつ)では」と話す。

 オランウータンの世界最高齢記録は二〇一七年に、多摩動物公園(東京都日野市)で死んだジプシー(雌)の六十二歳。「それまで長生きしてほしいですね」

◆毎日健康チェック

アジアゾウ・ハマコ 48歳

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 アジアゾウのハマコ(雌)は七二年、推定一歳の時に来園した四十八歳。全国八十頭余の中で七番目のご長寿だが、若いころと変わらぬ食欲で、一日五十キロ近い草を食べる。

 一日一回の健康チェックは欠かせない。かつて、爪の間に雑菌が入って感染症にかかったことがあり、毎日、入念に足を洗ってもらう。甘やかされているようにも思えるが、飼育員の鈴木英孝さん(40)は「昔は親しくない飼育員が自分を見ているだけで怒っていた。今は随分、丸くなりました」と話す。年とともに円熟味が増しているという。

 鈴木さんによると、ゾウの平均寿命は六十歳ほど。国内最高齢記録は井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)のアジアゾウのはな子(雌)で、六十九歳まで生きた。

 浜松市動物園には他にも、人間では八十代に当たるエゾヒグマのピリカ(雌、三十四歳)、ホッキョクグマのバフィン(雌、二十七歳)らも毎日、元気な姿を見せている。

 園は十六日、長命な動物にちょっと特別なおやつをあげて、お祝いする。

(糸井絢子、写真は同園提供)

 

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