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映画祭混乱、市民困惑 熱海イメージが…

華々しく行われた第1回熱海国際映画祭の記者発表に臨む斉藤栄市長(中)と髪林孝司氏(右)=2018年5月、東京都内で

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 開催を巡り混乱が続く「第二回熱海国際映画祭」は、主催事業者の資金面のめどが立たず、予定している二十八日の熱海市街地での開催が困難となった。事業者は別の場所での開催を検討しているが、市と民間事業者が組み「熱海を日本版ハリウッドに」という当初の旗印は崩壊し、イメージダウンになっている。市民からは困惑の声が聞かれる。

 映画祭は実行委員会の中心メンバーの熱海市・斉藤栄市長と代表の髪林孝司氏(58)=企画会社「フォーカス」(東京)代表取締役=が、昨夏開催の第一回で発生した債務の支払いで対立。五月に実行委は分裂した。

 市は今月四日に映画祭からの撤退を表明。髪林氏は独自開催するとしたが、市が国の補助金を支出する手続きを拒み、資金不足に陥った。和解も模索したが失敗。予定会場の市内ホテルのキャンセルを開始し、東京などへの変更を検討している。

 髪林氏は「メインの映画コンテストの表彰式だけは熱海市内のホテルで開くかもしれない」と話すが、第一回に協力した市内の映像作家永田雅之さん(46)は「仮に熱海で開催しないのであれば、何のための熱海国際映画祭なのか」と疑問を口にした。

 撤退を表明した市は「無関係」を強調。庁舎内の映画祭告知ポスターは撤去し、運営に協力するボランティアに申し込んだ三十数人にはメールで解散を通知した。既に支出済みの市の負担金五百万円は髪林氏に返還を求めるという。

 市の姿勢に、市民からは「市は被害者」(六十代男性)と理解を示す声がある一方、「まるでトカゲのしっぽ切り。開催に向け最善を尽くすのが、一度は映画祭に関わった市の責務では」(四十代男性)と不満の声も聞かれる。今後の市議会では、市長の責任追及が行われそうだ。

 熱海市街地では、映画祭で熱海を訪れる計画だった人が、予約した宿泊施設をキャンセルしたり、コンテストの応募者が今回の騒動を受けて出展を辞退したりする動きもある。市内の観光関係団体の幹部は「人気が復活している熱海に水を差した。イメージが悪くならなければ良いが」と頭を抱えている。

(中谷秀樹)

 

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