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大河「いだてん」 直虎効果に続けるか

◆田畑政治 30日から本格登場

田畑政治

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 日本の五輪史をテーマにしたNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公で、一九六四年の東京五輪招致の立役者となった浜松市出身の故田畑政治(まさじ)=浜名湾游泳(ゆうえい)協会提供=が、三十日放送予定の第二部から本格的に登場する。浜松市は、同市が舞台になった一昨年の「おんな城主 直虎」に続くPR効果に期待するが、市の風景がどれだけ放映されるかは不透明。関係者は「わずかでも浜松の名を広められたら」と願う。

 ドラマが始まった一月、市がJR浜松駅近くにオープンした浜松魅力発信館。田畑の功績やドラマの登場人物を紹介するパネルや、小道具のひげで柔道創始者の嘉納治五郎になりきって写真撮影を楽しむコーナーもある。既に九万人以上が来館した。鈴木麻佑子店長(32)が「年配の人だけでなく、高校生ら若い世代も来てくれる。第二部に向けて田畑さんのコーナーを広げるので楽しんでほしい」とさらなる来館者増を期待する。

 市はこのほか、田畑関連のホームページを特設。ゆかりの地を巡るファンらのため、母校の浜松北高や生家跡に看板を設置し、首都圏向けの情報誌「HAMA流(はまる)」で大きく特集を組むなど、着々とアピール策を進めている。

「いだてん」展を紹介する鈴木麻佑子さん=浜松市中区の浜松魅力発信館で

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 ただ、市内に二百七億円の経済波及効果(しんきん経済研究所調べ)をもたらした「直虎」と比べると盛り上がりはいまひとつ。「直虎」のときは、市や経済界、観光協会が協議会をつくって市全体で受け入れ態勢を整えたが、今回はそこまでの動きはない。

 市の関連予算も「直虎」の一割程度の一億円ほど。市観光・シティプロモーション課の担当者は「井伊家菩提寺(ぼだいじ)の龍潭(りょうたん)寺(浜松市北区)など関係場所が多く、一年を通じて浜松が舞台となった『直虎』には及ばない」と予測する。

 第二部では、阿部サダヲさん演じる田畑の活躍の舞台はほとんどが東京とみられる。浜松は回想シーンなどでの登場が中心になりそうだが「第一部と同様に出番は少ないだろう」(市担当者)。

田畑政治の功績について話す浜名湾游泳協会の藤原靖久会長=浜松市西区の市総合水泳場トビオで

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 市商工会議所も「いだてん」にちなむ商品開発を後押しするプロジェクトを昨年四月から始めたが、出来上がったのは二点だけ。担当者は約百点誕生した「直虎」のような勢いはないとした上で「オリンピックに絡む商標で商品開発が難しい」と指摘する。追い打ちをかけるのが視聴率だ。四月二十八日に7・1%(関東地区)と、記録が残る一九九四年以降で最低に落ち込むなど低迷している。

 田畑はクロールなどの近代泳法を導入し、五輪の金メダリストらを育てたことでも知られる。功績は偉大だが、田畑が設立に携わったNPO法人「浜名湾游泳協会」(浜松市)の藤原靖久会長(74)は「従来の大河ドラマで描かれた歴史上の人物に比べ、知名度がない」と受け止める。

 八月三、四日には「水泳ニッポンの競技力向上」という田畑の遺志を継ぎ、協会などが主催する小学生スイマーの全国大会「とびうお杯」が市総合水泳場トビオ(西区)で開かれる。「浜松が近代泳法の発祥地ということを多くの人に知ってもらいたい」と藤原さんは語る。

(古根村進然)

 

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