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熱海市「作品確保できず」 映画祭開催を断念

熱海市主体の熱海国際映画祭の開催を断念することを発表した斉藤栄市長=4日、同市役所で

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 第二回熱海国際映画祭(二十八日〜七月一日)の実行委員会が内部対立している問題で、熱海市の斉藤栄市長は四日、市中心の映画祭開催を断念すると表明した。上映作品を確保できなかったのが理由。過去の債務を巡って対立し、市長が実行委代表を解任したとする企画会社「フォーカス」(東京)の髪林孝司代表取締役(58)が開催を目指す映画祭には、協力しない考えを示した。

 斉藤市長は「作品の確保ができない以上、映画祭の開催を断念せざるを得ない」と説明した。映画祭のメインイベントであるコンテストで上映する四十数作品は髪林氏に近い米国人男性が所持しており、確保の困難が指摘されていた。

 市長は先月二十九日の会見で「国内外の作品製作者に個別に連絡を取り、作品を確保する」としていた。だが、市長は製作者に全く連絡を取らず、一本も確保できなかった。市中心の開催を主張し、わずか八日後の断念で「見通しが甘かった」と釈明した。

 また「フォーカス社が映画祭を開催する義務がある」とし、市の責任はないという立場を強調した。

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 髪林氏が準備を進めている映画祭には「(実行委代表を)退任したので、従来の映画祭の枠組みではない。髪林氏と一緒にやると市の負担を大きくするので関与しない」と撤退を表明。市が窓口になった文化庁からの補助金千二百五十万円は申請を取り下げ、支払い済みの市の負担金五百万円は髪林氏に返還を求めるという。

 混乱を招いたことには「事業者に問題があったとはいえ大変重く受け止めている。一定のけじめをつけていきたい」と自らの処分にも言及した。

 一方、こうした市長の発言に対し、四日に市内で会見した髪林氏は「嫌がらせとしか思えない。子どもじみている」と批判。当初の予定通り、市に対して文化庁の補助金の窓口業務を依頼するとした。また「市が意図的なサボタージュ(怠業)をする場合は問題提起する」と語った。

(中谷秀樹)

<熱海国際映画祭> 昨年夏に開催した第1回では、俳優陣が登場するレッドカーペットや韓流スターのトークショーなど豪華な内容だったが、準備不足から観客動員に苦戦。市は昨年9月、赤字額を61万円と公表した。だが今年5月に1400万円を超える赤字だったことが発覚。その支払いや、経費削減の問題から第2回の運営のあり方について、斉藤市長と企画会社側が実行委内で対立した。実行委代表の解任騒動に発展し、双方が独自の映画祭開催を主張していた。

 

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