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受動喫煙防止条例施行 ステッカーに歓迎と不満

(上)赤色が「禁煙」(中)青色が「喫煙可」(下)黄色が「分煙」を示す

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 一日に施行された静岡県の受動喫煙防止条例は、県内の全飲食店の店先に「禁煙」「分煙」「喫煙可」のステッカーの掲示を義務付けたが、掲示されていない店も目立つ。三種類のステッカーには、店主や県民から「分かりやすい」と歓迎の声が上がる一方、「ランチ時は禁煙」など時間制の禁煙、喫煙を示せない不満もあるようだ。

 十六日夜、静岡駅周辺の数十店舗の出入り口に目を凝らすと、ステッカーを貼っているのは五割強か。大手の外食チェーン店に比べ、個人経営の居酒屋やバーでの非掲示が目に付いた。

 市役所近くの「青葉横丁」。こぢんまりとした十八軒の静岡おでんの店に、それぞれ禁煙の赤色、喫煙可の青色、分煙の黄色のステッカーが貼られている。仕事帰りに立ち寄った会社員、鈴木幹夫さん(50)=藤枝市茶町=は「煙を吸わずに食事を楽しめる店が一目瞭然。非喫煙者にとってありがたい」と評価した。

 近くの喫茶店「ソワレ」は青色ステッカー。店主の末次裕司さん(56)は「喫煙者も周囲に気を使わずに吸える。最近は吸える場所自体が少なく、掲示を見て来店する人もいる」。

 一方、浜松市中区富塚町で三十年以上続く食堂「キッチンブライト」には、ステッカーの掲示はない。店主の森沢晃さん(63)は「夕方は家族連れが多いし、深夜にはたばこを吸いたがる人も来る。分煙室をつくれるような規模ではないし、ステッカーで明確に区別しろと言われても困る」と嘆いた。

 県は宣伝費も含めて七百三十万円を投じ、ステッカーを作成。三月末までに保健所を通じて営業登録のある約三万軒の飲食店に送付した。県の指導や勧告に従わず、非掲示を続けると、「店名公表」の罰則があるが、現状はまだ浸透していない。

 伊東市荻の「食堂居酒屋 風来坊」は、ランチ時だけ全席禁煙。店頭には相矛盾する青と赤のステッカー二枚を掲示し、余白に「ランチタイムのみ禁煙」と自前で書き込んだ。店主の鈴木浩二さん(46)は「ステッカーは使いにくい。夜は喫煙者が多く、いきなり全面禁煙や、完全分煙にもできない」と話す。

 条例を機に、方向性を決めた店もある。掛川市三俣のラーメン店「麺屋純太」は今月、禁煙に切り替えた。店主の増田泰明さん(48)は「昔に比べ、たばこを吸うお客さんも減った。(禁煙にしても)売り上げへの影響はない」と語る。

 県は飲食店団体にも要請し、掲示の徹底を呼び掛けている。健康増進課の豊田大(ひろし)課長代理は「禁煙、喫煙可の掲示により、店側はお客さんを混乱させずにすむ利点がある」と話した。

(西田直晃、酒井大二郎)

 <県受動喫煙防止条例と改正健康増進法> 県内の全飲食店にステッカーの掲示を義務付けたほか、幼稚園や保育園、小中高校などを敷地内禁煙とし、屋外での喫煙場所の設置を禁じている。条例は、来年4月の改正健康増進法の施行を見据えたもの。改正法では、客席面積100平方メートル以下の既存の小規模店を除き、「全面禁煙」か、喫煙室を別に設ける「完全分煙」を求める。「時間制禁煙」の概念はなく、県条例のステッカーも改正法に準じた仕様になっている。

 

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