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国交省、スズキ本社に立ち入り検査

立ち入り検査に入る国交省の担当者ら=19日、浜松市南区のスズキ本社で(袴田貴資撮影)

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 スズキで新車の検査を無資格の従業員が行うなどの不正が相次ぎ発覚した問題で、国土交通省は十九日、道路運送車両法に基づき、浜松市南区のスズキ本社を立ち入り検査した。昨年八月に発覚したスズキの一連の検査不正問題で、本社への立ち入りは初めて。

 午前九時半、国交省の担当者十三人がスズキ本社の建物へ入った。国交省によると、十二日に同社が提出した調査報告書の事実関係や再発防止策が適切かどうかを確認するため、鈴木修会長や俊宏社長ら経営陣から事情を聴いた。検査は午後八時まで続いた。

 スズキは「調査に全面的に協力し、真摯(しんし)に対応します。皆さまにご迷惑とご心配をおかけし、あらためておわび申し上げます」とのコメントを出した。

 スズキでは、資格のない従業員に検査員の印鑑を貸して検査させていたほか、ブレーキや速度計の検査でも不正があったことが外部の弁護士らの調査で発覚。十八日に一件の届け出としては国内最多となる二百二万台のリコール(無料の回収・修理)を発表した。

 国交省によると、本社に先立ち、十六〜十八日に浜松、湖西、磐田、相良の四工場を立ち入り検査した。一連の問題でスズキへの立ち入りは、燃費や排ガスの検査の不正を公表した昨年八月に続いて二回目。スズキは二〇一六年に燃費データの測定不正が発覚した際も立ち入り検査を受けた。

◆「前回より重大、経営陣に聴く」

 「前回よりも重大だ。経営陣に聴かないと、検査したことにならない」。国土交通省の野津真生審査・リコール課長は十九日、本紙の取材に対し、スズキの本社を立ち入り検査した理由を語った。

 昨年八月にスズキが燃費や排ガス測定検査での不正を報告後、国交省は工場への立ち入り検査を実施。報告内容と測定値の矛盾を指摘し、データの改ざんが見つかるきっかけとなった。

 今月十二日にスズキが提出した調査報告書は、日産自動車やSUBARU(スバル)と同じ無資格検査をはじめ、ブレーキなど多くの検査でも不正があったことを、従業員の証言とともに記していた。

 「自分も周りも補助員の時に単独で検査した経験があり、不適切と認識されない状態」「上司や先輩に不合格を合格にして良いと言われた」−。社内で不正に対する感覚がまひし、まん延していたことが分かる。

 スズキ本社を訪れた国交省の担当者は十三人。日産の八人、スバルの七人を上回る。野津課長は「すべて網羅された報告書が一度で出てきたため」と事情の違いを強調しつつ、「スズキは無資格検査を隠蔽(いんぺい)した特徴がある」とも語った。

 国交省は、報告書と立ち入り検査の結果を精査した上で今後の対応を決める予定だ。日産やスバルでは、最終報告とした後も自主検査などで不正が見つかり、過料や重点監視の対象になった。スズキは、再発防止を徹底する必要がある。

(山田晃史)

 

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