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静岡市立大里中 教員勤務にフレックス制導入

◆4月から 通常と遅番2択

 教員の働き方改革の一環で、静岡市立大里中学校は四月、教員が勤務時間を二通りの時間帯から選択できる「フレックス制」を導入する。文部科学省によると、公立校でフレックス制が導入されるのは全国でも前例がない。長時間労働の解消に向け、モデルケースとなり得る。

 フレックス勤務は、通常勤務(午前八時十五分〜午後四時四十五分)か、二時間目からの出勤となる遅番(午前九時半〜午後六時)かを選択できる。

 全員が同じ勤務とならないよう、私的な用事や業務の忙しさなどを加味して、通常か遅番かを調整する。部活動がある日は一学年に最低一、二人の教員は遅番を選ぶよう促す。遅番の教諭は、部活動の顧問が通常勤務の時間内で帰宅できるように、顧問に代わって最後まで部活動を見守るようにする。

 生徒の下校時間も厳格に定める。部活動は原則として午後四時から六時までの最長二時間とし、月、水、木曜は午後五時までに、部活動がある火、金曜は午後六時までに全員が下校するよう促す。

 勤務時間は一律四十五分を休憩とみなすため、現行もフレックス導入後も一日七時間四十五分。大里中は部活動の見直しに加え、宿題や定期テストの縮小なども検討することで、四月以降、時間外労働は最長でも月四十五時間に抑えられると試算している。

 教員の長時間労働は部活動や授業の準備などが原因とされ、社会問題化している。大里中でも現状、午後七時半ごろまで部活動を指導し、そこから授業の準備で午後十時ごろまで残業する実態があるという。

 大里中の山下由修校長は「部下の命や健康をこれ以上危険にさらすわけにはいかない。フレックスの導入で勤務時間が抑えられるほか、教員、生徒や保護者の放課後の使い方がより多様化する。必要ない業務をなくす意識改革も進めたい」と話す。

 教員の勤務時間の管理は、都道府県や政令指定都市の条例、学校管理規則により、学校長に権限が与えられている。

◆全国のモデルケースに

 内田良・名古屋大准教授(教育社会学)の話 登校時間を十分程度変えている学校はあるが、フレックス制を取り入れている学校は聞いたことがなく、斬新なアイデア。一律的な学校の世界で、一つの学校が導入を決めたことに驚いている。仕事量をどこまで減らせるか注目したい。根本的に業務を見直すことができれば、全国のモデルケースになるし、それを願っている。

(広田和也)

 <教員の長時間労働> 文部科学省が2016年度に実施した調査で、「過労死ライン」とされる月80時間超の時間外労働をしている教員が中学校で約6割、小学校で約3割いることが判明。教職員給与特別措置法(給特法)で、教員は時間外手当や休日手当が認められていないことも指摘された。19年1月、中央教育審議会(中教審)は公立校教員の残業上限を原則「月45時間、年360時間」以内と定め、部活動のあり方の見直しなど、働き方改革の具体策を答申した。

 

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