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機械歯車に腕 実習生死亡 浜松の養鶏場

◆ベトナム女性、作業中

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 三日午前十時十分ごろ、浜松市西区雄踏町山崎の養鶏場「野田養鶏」で、ベトナム国籍の技能実習生、トリン・ティ・ホアイさん(21)=同町宇布見=が、ベルトコンベヤー式の機械に腕を巻き込まれ、意識不明になっているのを同僚が見つけた。トリンさんは市内の病院に搬送されたが、約一時間二十分後に死亡が確認された。

 浜松中央署によると、トリンさんは同日午前九時ごろから、事故のあった養鶏場の建物内を一人で清掃していた。作業中に、鶏の卵を上に運ぶベルトコンベヤー式の機械の歯車に服の袖が触れ、腕が巻き込まれたとみられる。

 同僚が同日午前十時四十分ごろ、「腕が機械に巻き込まれている。意識も呼吸もない」と一一九番した。

 トリンさんは約一年前に来日し、この養鶏場で働いていた。署は養鶏場の安全管理や、技能実習生に任せた作業の手順などに問題がなかったか調べている。

ベトナム人技能実習生の女性が死亡する事故が起きた野田養鶏=3日夜、浜松市西区雄踏町で

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 野田養鶏の女性事務員は本紙の取材に、「二十年ほど勤めているが、大きな事故は初めてでとても残念」と肩を落とした。

 女性によると、この養鶏場では、三人の技能実習生も含めて三十五人ほどが働いている。女性は「時給は九百円ほどで待遇は良かったはず。ニュースで聞くような時給三百円という話では全然ない」と話した。

 男性従業員は、亡くなったトリンさんについて、「他のベトナム人女性二人と和気あいあいと仕事をしていた」と語り、「仕事にも慣れ、来年一月からは卵のパック詰めの仕事に異動するところだった」と話した。

 男性は「近くにはベルトコンベヤーを停止させるボタンがあったはず。押さなかったのか、押せなかったのか分からないが、ともかく残念だ」と憔悴(しょうすい)していた。

◆県内の実習生 労働災害30件

 静岡労働局によると、県内には昨年十月末時点で九千九百四十七人の外国人技能実習生がいる。昨年は製造業を中心に三十件の労働災害が発生。二〇一六、一五年はそれぞれ二十七件だった。

 厚生労働省は今年一月、労災による死亡と認定された実習生の統計を初めてまとめた。一四〜一六年度の3年間で、全国で計二十二人に上った。

 技能実習制度は、企業などが外国人を受け入れ、習得した知識や技術を自国の経済発展のために役立てる制度。時間外労働や賃金不払いなどの問題点が指摘されている一方、政府は高齢化と人口減少による働き手不足解消に向け、外国人労働者の受け入れ拡大を進める。十一月に入管難民法改正案が衆院を通過した。

 

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