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伊豆半島「世界ジオパーク」 ユネスコ認定

◆保留乗り越え地元歓喜

伊豆半島ジオパークの世界認定決定を万歳して喜ぶ関係者たち=17日、伊豆市修善寺のジオリアで(佐久間博康撮影)

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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は十七日、静岡県の伊豆半島を「世界ジオパーク」に認定した。世界ジオパークは、学術的に重要な地形や地質を備えた自然公園。日本では洞爺湖有珠山(北海道)、糸魚川(新潟)などに続き九地域目の認定となる。

 伊豆半島は太平洋にあった火山島が約六十万年前、本州に衝突してできた。度重なる地殻変動や火山活動で形成された変化に富む地形が特徴で、二〇一二年に国内版の「日本ジオパーク」に認定されていた。

 ユネスコの専門評議会は書面や現地視察による審査を通じて世界的な価値を認め、今年三月に認定を勧告。今回、パリで開かれた執行委員会で認定が承認された。

 伊豆半島は一五年にも審査を受けたが、世界的価値の裏付け不足などを理由に、認定が見送られていた。

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 世界ジオパークはもともとユネスコの支援を受けた民間団体が審査を担当していたが、一五年十一月にユネスコの正式事業になった。正式事業となってからの認定は、日本では伊豆半島が初めて。

 二度目の挑戦で念願の世界認定をつかんだ。伊豆半島ジオパークの世界ジオパーク入りが決まった十七日、二〇一五年に保留された悔しさをバネに認定を目指してきた地元関係者たちの間に、歓喜の輪が広がった。

 午後六時前、伊豆半島ジオパーク推進協議会に世界認定を知らせるメールが届くと、伊豆市修善寺の拠点施設「ジオリア」に集まった職員やジオガイドら約三十人が喜びを爆発させた。万歳三唱した後、手をたたいたり、ボードを掲げたりして祝った。

 協議会で一一年度から研究員を務める鈴木雄介さん(41)は「地域のみんなの取り組みが評価された。仲間を増やすため、ジオパークの教育啓発により一層力を入れたい」と笑顔。伊豆半島ジオガイド協会会長の田畑朝恵さん(67)は「前回悔しい思いをしていたのでうれしい。外国人観光客や子どもたちにジオの魅力をしっかり伝え、伊豆を盛り上げたい」と誓った。

 昨年七月の現地審査で生徒がジオサイトを案内した松崎高校(松崎町)サイエンス部顧問の冨川友秀教諭(39)は「今までの活動が認められて良かった。子どもたちの励みになる。これからは視野を世界に広げたい」と語った。現地審査でジオサイトを表現した生け花を飾ったガイドの鈴木由美子さん(72)は「ジオの文化的な側面を多くの人に知ってもらうきっかけになる」と期待した。

◆川勝知事 「感無量」

 伊豆半島が世界ジオパークに認定されたことを受け、静岡県の川勝平太知事は「悲願を達成して感無量。世界に認められた地質学的価値を後世に引き継ぐとともに、ジオパークの魅力を国内外へ発信していく」とのコメントを出した。

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 地元の伊豆市の菊地豊市長は「伊豆半島十五市町全ての住民と喜びを分かち合いたい。一人一人が将来の世代のために考え行動できるよう、ジオパークを活用していきたい」。伊東市の小野達也市長も「熱心な活動を続けた各地域のジオガイドや住民、各市町の首長におめでとうと申し上げたい。官民一体となって伊豆半島ジオパークの普及に取り組み、地域経済の活性化を進めたい」とした。

 伊豆半島ジオパーク推進協議会の小山真人顧問は「三年前の認定保留にも気落ちせず、地域を盛り上げてきた全ての人々に感謝。ジオパークとしての真価が問われるのは、四年ごとの再審査だと認識し、今後も活動の質を高めてほしい」との談話を発表した。

(佐久間博康)

 <伊豆半島ジオパーク> 県東部・伊豆地域の15市町の2027平方キロメートル(周辺海域を含む)が対象範囲。貴重な地質や地形が見られる場所「ジオサイト」は114カ所ある。2010年2月に伊豆半島6市6町首長会議でジオパーク構想の推進で合意し、11年3月に推進協議会が発足。12年9月に日本ジオパークに認定された。世界認定は初挑戦の15年9月には保留となったが、2度目の挑戦となった今回、ユネスコ執行委員会で承認され決定した。

 

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