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浜松市下水道事業を民間に委託へ 全国初、来月から

下水道処理事業としては全国で初めてコンセッション方式で民間委託される西遠浄化センター=浜松市南区で(原一文撮影)

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 浜松市は四月一日から、下水道処理事業の管理や運営を民間企業に任せる「コンセッション方式」を導入する。対象になるのは市内最大の下水処理場の西遠浄化センター(南区松島町)と二つのポンプ場(南区小沢渡町、天竜区二俣町)。自治体が下水処理事業でこの方式を採用するのは全国で初めて。

 浜松市は、海外で水道事業を手掛けるフランスのヴェオリアグループの日本法人、ヴェオリア・ジャパン(東京)を代表とする国内六社でつくる特別目的会社「浜松ウォーターシンフォニー」に委託する。

 コンセッション方式は公共施設の所有権を自治体に残し、運営を民間企業に任せる仕組み。コスト縮減などが目的。全国では空港や有料道路などの事例があるが、浜松市では初の事例となる。市は上水道事業でも導入の検討を進めており、調査結果を基に可否を判断するとしている。

 特別目的会社との契約は二十年間。同社は市を通じて徴収される下水道料金の約四分の一を収益とし、市は運営権を与える対価として同社から契約期間内に計二十五億円を受け取る。市によると、コンセッション方式の導入で事業費を14%削減でき、年間約六千万円の事業所税収入を見込む。

 政府は官民連携を推進しており、二十六日には小倉将信総務政務官が西遠浄化センターを視察。小倉氏は「浜松での事業がうまくいけば、他地域でも見習おうという動きが広がってくる。成功例をつくることが重要。国も期待している」と述べた。

 民間のノウハウを活用するコンセッション方式の導入で、浜松市は下水道処理事業費の削減など財政面でのメリットを挙げる。一方で、公共性を保てるかどうかなど、民間委託を不安視する声もある。

 「利益優先でサービスの質が落ちるのでは」との懸念に、市は定期的なモニタリング調査で監視を続けることで防げると説明。下水道使用料も市条例で定めており、運営会社が勝手に料金変更できないとしている。

 運営会社は設備更新工事の計画作成と発注をする。関連会社による独占的な受注の可能性について、市議会二月定例会では共産党の市議が「公共事業の公平性、透明性は担保されるのか」と指摘。市は「入札情報は広く発信し、地元企業と協働していく」と強調した。

 二十六日に視察した小倉総務政務官は「地元の納得感と契約の工夫が必要だ」と話した。

 <西遠浄化センター> 天竜川河口の西側、遠州灘に面した下水処理場。浜松市内に11ある浄化センターのうち、市全体の約5割に当たる下水を処理する。県が1986年10月に供用開始し、浜松市に2016年4月に移管された。

(原一文、佐藤浩太郎)

 

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