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極め人

「ヤバイTシャツ屋さん」ドラマー もりもりもとさん イケイケを下から見上げる感じ

◆「音楽やれば」背中押してくれた両親

もりもりもとさんのサイン色紙

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 身内すら盛り上がっていない、ガラガラの客席、冷たい視線、レスポンスのないむなしい時間、共演者にはばかにされていた−。代表曲「サークルバンドに光を」のこんな歌詞は完全に実話だという。NHKでレギュラー番組を持ち、昨年末の紅白歌合戦出場もうわさされた人気バンド「ヤバイTシャツ屋さん」のドラマー、もりもりもとさん(25)は浜松市出身。すべてのメディアを通じて今回、初めて一人きりでのインタビューに応じてくれた。中日新聞に登場するのが「わーい!!うれしい!!」というのだが、その訳は…。

 −故郷の浜松は音楽の街です。

 やっぱりこう身近に音楽があって、音楽家の家系でも何でもないんだけど、僕もゼロ歳くらいでヤマハの音楽教室に行ってました。エレクトーンの後、小三ぐらいでドラムをたたいたんですけど、もっと前からテレビでドラマーが映ると反応してたみたい。

 サッカーも好きで、ジュビロの教室に入っていました。中学に入る時、サッカー部か吹奏楽部か悩んだんですけど、音楽続けたいなあって。でも、男子部員は僕だけ。大変でしたよ。「女好き」みたいなことすごい言われて。いじりっていうか、いじめっていうか、負の思い出です。やめたいと思ったけど、やめたらもっと笑われる。見返してやるって、それだけでしたね。あと洋楽ロックが心の支えで。部活帰り、よく半泣きで聴いていました。

 高校では軽音楽部や校外でバンドを組んでドラムをたたきました。浜松のライブハウス「窓枠」とか「浜松FORCE」とかでよく演(や)ったり、聴きに行ったりした。進路は迷いました。ドラム以上のものにこの先、出合えないと思ってたけどミュージシャンで成功できるのは一握り。取りあえず大学行くかって。

 −そこでヤバTを結成しました。

 三人とも同じサークル。しばたが同級で、こやまさんが先輩。二回生の時、学園祭にオリジナルバンドで出ようってことになって、すごい短期間で四曲ぐらい作ったんです。僕は王道ハードロックが好きだったんだけど、初めて作ったのが「ネコ飼いたい」ってひたすら叫ぶ曲。二人は関西で、ノリについていけないけど先輩に「ノー」は言えないし、「まあ、ちょっとやってみます」って何となく始めたのがヤバTですね。

バンドのキャラクター「タンクトップくん」をイメージして切り取った中日新聞を手にするもりもりもとさん=東京都内で

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 最近、歌詞に関しては、こやまさんに任せきりなんですけど、共感しかない。「俺、そんなこと思っていないのに」ってことがない。イケイケを下から見上げるような感じの僕らが心から感じていることを歌う。人と違うことをやりたい、楽しいからやる。音楽の原点みたいなものから始めたバンドだから、お客さんも共感して楽しんでくれる。

 −故郷へのメッセージをください。

 リアルな話をすると中心街に元気が足りないなと思いますね。有楽町とか…。

 −有楽街です。東京に染まりましたね。

 ははは。浜松に生まれたから今の生活ができている。せっかくたくさんの人に知ってもらえる立場になったので、もうちっと元気にできたらな、と。とっつきにくいバンド名ですけど、日陰にいる僕らは誰より身近にいるバンドです。

 −昔の自分に今、声をかけるとしたら。

 「間違っていないよ」と。あと「親の言うことは大事」って伝えたい。「音楽やれば」と背中を押してくれたから。両親、中日新聞、読んでるんですよ。だからインタビューはありがたい。こうやって取り上げてもらうことで少しでも恩返しになれば、と思います。

 サークル内のライブでもはじめはステージから五メートルの距離で座って見られた。メジャーデビュー前は「歌詞が軽い」とかの批判をすごい浴びたし、コンテストで別のバンド関係者に「ヤバTに優勝させるな」「恥だ」って言われて。三人とも悔しくて「いつか見たれよ」って感じてました。映像をSNS(会員制交流サイト)に上げたらライブハウスが「面白いね」と拡散してファンが増えた。

 ライブは元気のぶつけ合い。昔の僕みたいな子供たちに来てほしい。両親も来てほしいけど、父親は身長高いし目立って落ち着かない。気配を消して、のちのち、感想を聞かせてください。

(聞き手・鈴木凜平)

 もりもりもと 1993年、浜松市で生まれ、公務員の両親にたっぷりの愛情を注がれながら、浜松学芸高を卒業するまで過ごす。大阪芸術大で、こやまたくや(ギター、ボーカル)、しばたありぼぼ(ベース、ボーカル)と運命の出会いを果たし、バンド「ヤバイTシャツ屋さん」を結成。ドラムとコーラスを担当することに。メロコア(パンクロックの一種)サウンドと関西弁の歌詞がツイッターなどで人気を呼び、2016年にメジャーデビュー。18年には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」などの大型音楽フェスに出演した。

 

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