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静岡けいざい

葵区の耕作放棄地で茶葉栽培

◆農家グループ「梅ケ島くらぶ」商品

瓶入りのチャイシロップと袋入りのティーバッグを紹介する「梅ケ島くらぶ」の辻美陽子代表(右)と杉山実さん=静岡市駿河区で

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 静岡市葵区の梅ケ島地区の活性化に取り組む茶農家グループ「梅ケ島くらぶ」が、南アジアや中東で親しまれている香辛料入りミルクティー「チャイ」の素(もと)となるシロップを商品化し、販路を広げている。耕作放棄地を活用して無農薬栽培した茶葉を紅茶に加工して使用。牛乳を加えるだけで手軽にチャイを味わえることから、売り上げを伸ばしている。

 チャイシロップは、紅茶にスリランカ産のシナモンやクローブなどの香辛料を配合して煮立てた後、抽出液に糖を加え、濃縮させて仕上げる。

 チャイをティーバッグで入れる場合、お湯で煮立てて成分を十分に抽出させてから牛乳を加える必要があるが、シロップなら温めた牛乳で五倍に薄めるだけでチャイが楽しめる。

 グループは、紅茶メーカーが使わなくなった製造機械一式を無償で借り受け、梅ケ島地区に自前の紅茶工場を持つ。このため、抽出液を濃縮させる工程を外部に委託する以外は、茶葉の栽培から製茶まで手掛け、香辛料の配合割合も決めている。

耕作を請け負った茶畑で紅茶用の茶葉を刈る「梅ケ島くらぶ」のメンバー=静岡市葵区で(同くらぶ提供)

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 手始めに昨年から、梅ケ島地区の旅館や民宿を中心に百ミリリットル(百三十グラム)入り千二百五十円(税別)で販売。物珍しさもあって反応が良かったため、静岡市内の米穀店や乾物店、県内外の宿泊、観光施設などでも売るようになった。シロップをはじめチャイ関連商品の売り上げは前年の一・五〜二倍で推移している。

 グループは静岡市や焼津市の茶農家ら六人。梅ケ島地区の活性化に関わるようになったのは約十年前。地区に別荘を持つメンバーの杉山実さん(72)が高齢で耕作できなくなった茶農家から千三百平方メートルの茶畑を借り、パートナーの辻美陽子代表(58)らと耕作を請け負ったのがきっかけだった。

 辻代表の子どもがアトピー性皮膚炎に苦しんだこともあり、当初から食の安全を重視して無農薬栽培にこだわった。今では耕作面積は約七千平方メートルに拡大。五年ほど前からは高値で取引される紅茶の茶葉栽培に軸足を移し、ティーバッグなどの加工品も手掛ける。

 辻代表は、紅茶やチャイの消費拡大によって耕作放棄地の活用を促し、「荒れた茶畑が点在する梅ケ島の風景を変えていきたい」と思い描く。

(伊東浩一)

 

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