トップ > 中日新聞しずおか > 静岡けいざい > 記事一覧 > 2019年の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡けいざい

民泊参入、伸び悩む 県東部中心に193件

写真

 一般の住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」の解禁から十五日で一年半を迎える。県のまとめによると、届け出を受理したのは先月十四日時点で百九十三件。新たな宿泊の受け皿として期待されたものの、制度開始当初に比べ伸び悩んでいる。背景には営業日数や場所の制約、安価なホテルなどとの競争がある。

 保健所管内別の受理数は熱海の五十四件が最高で、賀茂(下田市)四十六件、東部(沼津市)三十一件と続く。富士七件、御殿場四件を含め、首都圏などから多くの観光客が訪れる伊豆や東部に七割強が集中している。静岡市は二十一件、浜松市は十件。

 都道府県別にみると、静岡の受理数は十二位と比較的上位に入る。しかし、訪日外国人観光客らの需要が旺盛な東京(七千五百五十四件)、大阪(三千四百四十八件)、北海道(三千八十件)など上位五位までの都道府県はいずれも千件を超えており、大きく水をあけられている。

 静岡の場合、解禁後の半年間の受理数が百十八件だったのに対し、その後の一年間では七十五件にとどまるなど、届け出の動きも鈍くなっている。民泊を始める動機としては、収益よりも「空き部屋の有効活用や国際交流を目的に始める人が多い印象」(県担当者)という。

 民泊は、昨年六月十五日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行によって解禁。外国人観光客が多い首都圏や関西圏での宿泊施設不足の解消や、違法に民泊を営業していた業者が「合法」に転換することなどが期待された。

 ただ、届け出に必要な書類が多いなど手続きが複雑で、営業日数は年間最大百八十日に限られる。さらに地域によって条例の縛りがあり、県内では、学校などの周辺百メートル以内や一部の住居専用地域では原則、土曜日しか宿泊の受け入れができないなどの制限がある。

 静岡経済研究所(静岡市葵区)の冨田洋一主任研究員は「営業日数や場所などの制約の多さを考えると、このぐらいの(受理数の)水準が現行制度の限界だろう。県内には安価な宿泊施設も充実しており、民泊と遜色ない値段で泊まれることも、伸び悩みの原因になっている」と分析する。

(伊東浩一)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索