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静岡けいざい

研究・開発成果発表会 県浜松工業技術支援センター

◆CFRP成形時間を短縮

加熱温度や加工速度を変えて成形したUDテープを示す森田達弥さん=浜松市北区の県浜松工業技術支援センターで

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 県浜松工業技術支援センターは十四日、恒例の「研究・開発成果発表会」を浜松市北区新都田一の同センターで開く。自動車部品の高強度化につながる技術開発や金属材料、精密計測など十六テーマの成果を、センターの研究員らが報告する。

 繊維高分子材料科の森田達弥主任研究員は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を従来より短時間で成形する方法について、浜松地域CFRP事業化研究会と一緒に取り組んだ技術開発の成果を発表する。

 CFRPは軽量・高強度でさびないため、自動車部品や航空宇宙分野で用いられるが、炭素繊維と樹脂を隙間ができないように成形するには数時間から一週間ほど必要で、産業界から効率化の要望が出ていた。

 森田さんらは、成形前に炭素繊維と樹脂を一体化した「UDテープ」と呼ばれる素材に着目。テープに使われる樹脂は熱で柔らかくなっても粘度が高いため、炭素繊維に浸透させるのが難しかった。加熱温度や加工速度を変えて実験した結果、二三〇度で毎分六メートル加工した場合に隙間が最も減ることが分かった。

 森田さんは「テープの幅が広い方が浸透しやすいことも分かった。研究会を通じて新製品開発の技術支援に生かしたい」と語る。

◆金属加工組成を精密測定

エックス線残留応力測定装置(左)を使った研究を発表する小粥基晴さん=浜松市北区の県浜松工業技術支援センターで

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 材料科の伊藤芳典科長と小粥基晴研究員は、加工後の金属材料の内部に発生する残留応力をエックス線で測定する装置を使った研究成果を発表。伊藤さんは、ステンレス鋼を加工した際に組成が変化し、磁性を帯びたり耐食性が低下したりする量を調べた。

 磁性を帯びた部品は、産業用ロボットで製品に組み立てる際に正確な位置決めができなくなる。鋼の加工量が大きいと、硬くてもろいマルテンサイトと呼ばれる組成が増大し、磁性や耐食性が変化することから、微小なマルテンサイトの量を精密に測定する方法を考案。適正な加工量を設計や製造部門にフィードバックできるようにした。

 小粥さんは金属材料の寿命低下を招く恐れがある熱処理後の残留応力について研究。クロムモリブデン鋼など数種類を計測し、同じ熱処理でも応力に明確な差があることを見いだした。熱処理温度の改善や工程の簡素化に役立ち、コスト削減が期待できるという。

 発表会は午後一〜四時。デンソーの隈部肇執行職による特別講演「デンソーグループのFuture Mobilityへの取り組み」に続き、午後二時半ごろから三会場に分かれてテーマ別の発表がある。ポスター発表や製品展示も行われる。問い合わせは県浜松工業技術支援センター=電053(428)4152=へ。

(宮沢輝明)

 

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