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静岡けいざい

磐田で産業フェア 180社集う

 県西部を中心にものづくりの百八十社・団体が集う「産業振興フェアinいわた」(中日新聞東海本社後援)が八日、磐田市のアミューズ豊田で始まった。自動車産業の変革や人手不足への対応が課題となる中、新たな技術開発や分野開拓を狙う意欲的な出展が目立つ。九日まで。

◆車の軽量部品、農薬散布ロボ

植物由来のセルロースナノファイバーを使った三恵の自動車部品の試作品=磐田市のアミューズ豊田で

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 自動車の樹脂部品を手掛ける三恵(さんけい)(磐田市)は、軽くて丈夫な植物由来の素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を使った内外装部品の試作を展示。重い電池を載せるため部品の軽量化が必要な電気自動車(EV)向けに開発した。

 従来の素材より10〜15%軽くできるといい、数年以内の実用化を目指す。担当者は「脱プラスチックが叫ばれる時代なので、環境に優しい素材としても注目している」と語った。

 ヤマハ出身者らが立ち上げたロボセンサー技研(浜松市北区)は、振動をとらえる極細のワイヤセンサーを売り込んだ。ドリルに付けることで刃先の摩耗や不良を感知でき、適切な交換時期が分かる。これまでは職人の勘が頼りだった。

 喉元に巻き、マイクを通さずにスピーカーから声を出せるユニークな使い方も紹介。宮崎なおと東京支店長は「ベッドに組み込めば離れていても患者の異変に気付ける」と医療分野への応用も展望する。

 農業支援を手掛けるエムスクエア・ラボ(菊川市)は、搬送用ロボット「モバイルムーバー」の農薬散布モデルを初披露。スズキの電動車いすの足回りを使って共同開発し、容量百リットルのタンクと散布機を載せた。

エムスクエア・ラボが披露した搬送用ロボット「モバイルムーバー」の農薬散布モデル=磐田市のアミューズ豊田で

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 果樹園のハウスなどでの利用を想定。加藤百合子社長は「まず地元で活用してもらいたい」と話した。

 繊維強化プラスチック(FRP)の水槽や水耕栽培装置が主力のアクスト(森町)は、新商材として光を使った防虫製品「ホトルイクス」を紹介。害虫を照明で誘い込み粘着シートで捕獲する。逆に虫を寄せ付けないタイプの照明もある。

 五月に新工場を建設。宮武義邦相談役は「これまではOEM(相手先ブランドによる生産)が中心だったが、新たな商品を生み出していく」と意気込んだ。

 フェアは磐田市と磐田商工会議所、市商工会の主催で九回目。実行委員長の高木昭三・磐田商議所前会頭(浜松いわた信用金庫会長)は「産業の高度化を先取りする取り組みを『見える化』した。一般の方や学生にも知ってほしい」と呼び掛けた。

◆大手3社トップあいさつ

そろって開会式に臨んだ(左から)ヤマハ発動機の日高祥博社長、スズキの鈴木修会長、浜松ホトニクスの晝馬明社長=磐田市のアミューズ豊田で

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 フェアの開会式には、磐田市に生産拠点を構えるヤマハ発動機、スズキ、浜松ホトニクスのトップがそろって登壇。地元とつながりを深め、基幹産業を盛り上げる姿勢をアピールした。

 ヤマハ発の日高祥博社長は、農業用の無人機や自動運転車両の開発を進めていることを紹介。「お付き合いがなかった企業との交流を広げ、スクラムを組みたい」と呼び掛けた。

 スズキの鈴木修会長は、軽商用車を生産する磐田工場の設立から半世紀が経過したことに触れ、「閉鎖はしません。約束します」ときっぱり。働く従業員への感謝も述べた。

 浜ホトの晝馬(ひるま)明社長は、最近訪れた米国と中国での体験から「日本は貿易摩擦に悩んでいるが(現地に)暗さはない。国に頼らず、地方で盛り上げるのは素晴らしい」と奮起を促した。

(久下悠一郎、山田晃史)

 

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