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静岡けいざい

印と日本の販売回復急ぐ スズキ減益

◆新型車投入や検査徹底

 十年ぶりに最終減益となったスズキの二〇一九年九月中間連結決算。要因は、四輪車販売の七割を占めるインドと国内の不振だ。いずれも下半期での挽回は見込めず、通期計画を下方修正した。インドは新型車の投入や値引きでてこ入れを図り、国内は期中に検査対策を完了して生産の正常化を急ぐ。

 「販売網の整備、排ガス規制への対応、機種開発も含めて取り組む」。東京都内で五日開いた決算発表会見で、鈴木俊宏社長はインドの対策を語った。

 昨年から続く市場の冷え込みは、今年五月の下院選を機に、政府が景気刺激策を打ち出すとの観測による買い控えが原因だとみられていた。しかし、期待した刺激策は「明確なものが出ず」(鈴木社長)、販売不振が継続。ローンの貸し渋りや頭金の増額、保険の期間延長といった購入者の負担増も要因として挙げた。

 現地子会社マルチ・スズキは、八月に三列シートの小型車「XL6」、九月には小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「エスプレッソ」と相次ぎ新型車を投入。九月からは法人税の減税分を還元するとして、一部車種の価格を五千ルピー(約七千七百円)引き下げた。

 十月はヒンズー教の祝祭の追い風もあり、卸販売は前年同月比2・5%増の十四万二千台と八カ月ぶりに前年を上回り、小売りは17・6%も伸びた。ただ、鈴木社長は「少し光が見えたかなと思うが(回復に向かうかは)慎重に判断せざるを得ない」と述べた。通期の販売台数は期初に前期比4%増を見込んだが、下方修正後は20%減とした。

 一方、検査不正の再発防止に取り組む国内では、生産速度を落として供給が滞り、販売に影響。通期の販売台数は期初より三万一千台減らし、六十八万九千台を計画する。

 検査員の増員などを進めており、鈴木社長は「十月中旬から検査能力が生産能力を上回る状況になった。年度末に向けてさらに能力を高める」と生産正常化へ意気込みを語った。来年四月以降は、検査ラインの最適化や、カメラと人工知能(AI)による合否判定の自動化を中心とした「第二段階」も計画する。

◆社長一問一答

決算会見でインドの自動車販売や国内の生産について見通しを語るスズキの鈴木俊宏社長=東京都内で

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 その他の鈴木俊宏社長の一問一答は次の通り。

 −八月にトヨタ自動車と資本提携に合意した。

 将来に向けて次世代車対応で協力したい。スズキらしさを出し、トヨタにも感謝される提携にするのが私の務め。提携が深化する中で、豊田章男社長との信頼関係も築いていきたい。

 −トヨタ子会社のダイハツ工業とのすみ分けは。

 うちがトヨタと提携したからといって、スズキがすみ分けを考えることはあり得ない。互いに競争し合いながら技術を伸ばしていかなければ、意味が無い。

 −次世代車への対応は。

 スズキは二輪やマリン、電動車いすもやっている。四輪の枠にとらわれず、個人の乗り物の将来の姿を考えて取り組むべきだ。外部と協力しながら研究開発をしっかりやっていく。

 −東京モーターショーに参考出品したハスラーの手応えは。

 デザインは先代の特徴を継承しつつ、いい形だと評価された。(発売まで)もうしばらく待ってもらいたい。先代の時と経済状況は違うが、月販一万台を目標にできるよう頑張りたい。

(山田晃史)

 

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