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静岡けいざい

農産物共同配送「やさいバス」 県外生産者も注目

◆長野、神奈川で実証実験 茨城では計画

長野県内で実証実験が始まった「やさいバス」=同県松本市で(やさいバス提供)

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 県内で農産物の共同配送を手掛ける「やさいバス」(牧之原市)が、県外でも事業化に乗り出した。乗り合いバス方式で少量・多品種の野菜を地元の飲食店などに届けられる仕組みに、地産地消の推進を目指す長野、神奈川、茨城各県の生産者らが着目。自治体やスーパーと連携して実証実験を始めたり、計画したりしている。

 やさいバスは二〇一七年三月から、静岡県内で同名の冷蔵トラックの運行を開始。農産物の出荷や受取場所となる「バス停」を一日三台が巡回している。農家は最寄りの「バス停」に野菜を持って行けば、やさいバスが運んでくれ、買い手の飲食店や小売店も近くの「バス停」に行けば受け取れる仕組みだ。

 運送費を抑えることができ、地域内の小口取引を可能にしたほか、市場を通さず農家と買い手が直接、スマートフォンで受発注を行うため、農家が自ら価格を決められる利点もある。現在、県内の約三百の農家と飲食店、食品加工業者などが、やさいバスを使って取引をしている。

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 この仕組みに注目したのが、長野県松本市周辺の農業団体や飲食店、宿泊業者ら。農産物の地産地消を活発にしたいと、やさいバスにノウハウの「輸出」の要請があり、九月十一日から長野県の事業として現地で実証実験を始めた。

 松本市周辺の農産物直売所や浅間温泉、中心部の商業施設など十二カ所を「バス停」にし、やさいバス一台が毎日巡回。農家は特産のブドウやリンゴ、レタスを直売所に出荷するついでに、やさいバスに載せる野菜を持って行けば、浅間温泉の旅館や市街地の飲食店にも届けられ、販路が広がる。旅館や飲食店も、地元の新鮮な食材を使ったメニューの拡充を見込む。

 実証実験は十二月十三日まで。効果を検証の上、利用者にどの程度の負担を求めるか検討し、来年春からの本格運行を目指す。

 このほか、神奈川県でも八月から、地元スーパーの富士シティオ(横浜市)と同県内の生産地を結ぶやさいバスの実証実験を開始した。

 茨城県でも近く、スーパーのカスミ(茨城県つくば市)と連携して同様の実験を始める計画がある。

 やさいバスの長谷川晃央執行役員は「地産地消のための物流はコストに見合うだけの運搬量がなく、どう進めるか各地で課題となっている。やさいバスの仕組みは今後も広がっていくと思う」と見通した。

(伊東浩一)

 

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