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静岡けいざい

心臓マッサージ練習キット キッズデザイン賞

◆静岡文化芸大教授ら協力

心臓部にあしらったキャラクター「どっくん」

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 静岡文化芸術大(浜松市中区)が開発に携わった心臓マッサージの練習キットが、子どもに役立つ製品やサービスに贈られる今年の「キッズデザイン賞」を受賞した。一般的な練習器具は人体そっくりで怖がられるため、見た目をかわいらしく工夫した。デザイン学部長の伊豆裕一教授(63)は「学習意欲をかき立て、幼い時期からの備えにつながれば」と普及に期待する。

 心臓マッサージは、心停止した人の胸の真ん中を両手で繰り返し圧迫して血液の循環を促す。成人なら胸が約五センチ沈み込むまで圧迫する動作を、一分間に百〜百二十回行うことが望ましいとされる。

 練習キットは繊維資材メーカーのサカイ産業(島田市)が昨年発売した「ドックン」(税別七千円)。マッサージのこつを分かりやすく学べる器具作りを模索していた東邦大医学部の杉山篤教授の呼び掛けで開発され、デザインを伊豆教授や教え子が担当した。

使い方を実演する伊豆裕一教授。中央の心臓部を圧迫するとポンプを介して右側の容器から左側の容器へ水が流れ、血液の循環を再現する=浜松市中区で

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 組み立て式で、胴体に見立てた直径三十五センチのドーナツ形の風船に、足踏みポンプを流用した直径十二センチの「心臓部」をはめ込む。ポンプからは二本のチューブが延びており、一方を水入りの容器に、もう一方を排水用の容器に差す。

 ポンプの上にばねが重ねてあり、実際のマッサージと同じように心臓部を約五センチ押し込むと、水がくみ出される仕組みだ。伊豆教授は「どれぐらいの強さで押せば良いのか、感覚が身に付く」と説明。心臓のキャラクター「どっくん」も描き、子どもが親しみやすいようにした。

 併せて、倒れている人を見つけた時の対処法を描いた絵本も作成。安全な場所に寝かせた上で、一一九番や自動体外式除細動器(AED)を持ってくるように周囲の大人に頼むといった心構えを紹介する内容で、サカイ産業のウェブサイトで公開している。

 伊豆教授は、昨年の京都府舞鶴市での大相撲巡業で市長があいさつ中に倒れ、観客が心臓マッサージを施して一命を取り留めた事例を挙げ、「緊急事態は、いつどこで起こるか分からない」と指摘。

 基礎を学んで慣れた上で「消防が講習で使うような上半身型の器具で、本格的に技術を身に付けてほしい」と話す。

(久下悠一郎)

 キッズデザイン賞は、大手企業で構成するNPO法人キッズデザイン協議会(東京)が毎年主催。13回目の今年は437件の応募があり、8月に263件の受賞が発表された。県内からは「ドックン」のほか、子どもや子育てを支援する官民の取り組み3件が受賞した。

◆親子エンジン教室(ヤマハ発)

 ヤマハ発動機は、2002年から続ける親子向けのエンジン分解・組み立て教室が選ばれた。排気量100ccの本物のエンジンを使って仕組みや工具の使い方を学ぶ内容で、9月25日に発表される優秀作品の候補33件にも残った。

◆軽量ランドセル(ことゆく社)

 子育て中の母親2人が設立したことゆく社(浜松市南区)は、ランドセル「ことゆくラック」(税別2万7000円)が受賞。ナイロン製で770グラムと一般的な革製ランドセルの半分ほどの重さで、児童が楽に通学できるように工夫した。

◆間伐材で玩具(小山町)

 小山町が16年度に始めた「マザーツリープロジェクト」も選出。地元の間伐材を使い、振ると音が鳴る玩具「ラトル」を第1子が生まれた町内世帯に、積み木を3歳未満の子どもがいる転入世帯に贈っている。

 

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