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静岡けいざい

有給で就業体験 県内でも増加

◆魅力発信、人材確保狙う

フジヤマの長期有給インターンシップで業務を体験する大学生(左)=浜松市東区で(同社提供)

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 学生に給与を支払い、腰を据えて自社の業務を体験してもらう長期・有給インターンシップ(就業体験)を実施する企業が県内でも増えている。企業にとっては、学生優位の厳しい採用環境が続く中、時間をかけて仕事の内容や職場の雰囲気を知ってもらい、関係を密にすることで優秀な人材の採用につなげる狙いがある。

 建設総合コンサルタントのフジヤマ(浜松市中区)は八年前から、大学一〜三年生を対象に、二週間に及ぶ有給の就業体験を開いている。道路や橋といった公共工事の設計、測量を中心に手掛けているが、学生に業務の実態が伝わりにくいため、じっくりと仕事やその魅力を知ってもらおうと取り入れた。

 期間中は、建設の現場を見学するだけでなく、学生が実際に測量機器を操作したり、コンピューターで設計の図面を書いたりする。社員との交流の場もできるだけ多く設けている。

 給与を支払うのは、交通費や宿泊費の意味合いが大きい。フジヤマが求めるのは、主に大学で土木や建築を専攻する学生。土木系の学科は県外の大学に多いことから、遠方の学生が出費を気にせず参加できるようにする目的がある。

 こうした就業体験の効果について、採用担当の藤山直也経営戦略室長は「採用試験の受験者が増え、県外からの優秀な人材確保につながっている」と話す。特に「仕事が想像と違った」などミスマッチによる早期離職の抑止効果は顕著で、二〇一七年以降の新規採用者の離職はゼロ。「時間をかけて学生とコミュニケーションを取っている成果が出ている」と語る。

 静岡銀行(静岡市葵区)も、大学生を対象に比較的長期で有給の就業体験を二月に初めて実施した。銀行業務について学び、店舗を見学する従来方式よりも実践的な内容に。書類選考を経た学生二十人が計七日間にわたり、インターネットバンキングで若い顧客を開拓する方法や、富士山・箱根・伊豆地域の観光イベントの企画などを検討し、静銀に提案した。

 先駆的な取り組みに積極的に挑戦する企業であることを学生にPRするのが狙いで、担当者は「長期、有給、少人数の就業体験で学生にプレミアム感を感じてもらい、静銀に特別な意識を持ってもらえたら」と採用面の効果も期待する。

 県外でもITやベンチャーを中心に、一部の大手企業も長期・有給の就業体験を導入している。パナソニックは一九年度から人工知能(AI)に精通する就活生を対象に実施。期間は二カ月半〜半年を想定し、時給は二千円から。優秀な人材を囲い込む狙いがあるとされる。

(伊東浩一)

 

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