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静岡けいざい

アフリカ開発会議開幕 県内企業も熱視線

◆製品展に産業機械、美容品

ヤマハ発動機が消防当局向けに提案する二輪車(手前)や、積載能力と航続距離の向上を目指す次世代産業用無人ヘリコプターの提案モデル(奥)=横浜市西区のパシフィコ横浜で

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 第七回「アフリカ開発会議(TICAD)」が二十八日、横浜市内で開幕し、日本企業のアフリカ向け製品などを紹介する展示会「日本・アフリカ ビジネスEXPO」も併せて始まった。百五十六社・団体が参加し、静岡県内からも大手や中小企業がブースを出展。大きな可能性を秘めたアフリカ市場を開拓するため、産業用機械から美容品まで多彩な製品をアピールしている。

 展示会の協賛企業に名を連ねるヤマハ発動機は「陸海空」の全領域の商材を出品。濁水の中でも使えるように強度を高めた船外機、消防当局用に消火器も積めるように改装した二輪車、次世代産業用無人ヘリコプターの提案モデルといった最新技術を紹介している。

 次世代ヘリは広大なアフリカの大地での使用を想定し、現行機より回転翼が大きく、燃料タンクも追加搭載できるようにした。最大積載量は七十キロ、航続距離は最長二百キロとそれぞれ従来の二倍に。協業を検討するケニアの航空貨物会社の関係者は無人ヘリについて「穀物栽培での農薬散布や物資運搬にも適している。社会に与えるインパクトは大きい」と期待した。

スズキが観光用の船艇向けを中心に売り込みを図る大型船外機=横浜市西区のパシフィコ横浜で

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 スズキのブースで目を引くのは、大人の背丈に迫る三五〇馬力の大型船外機だ。北アフリカは地中海を挟んだ欧州からのマリンレジャー客が多く、今後も商機が広がると見込む。昨年発売した新型ジムニーは南アフリカを中心に引き合いが多く、「現地でも入荷待ちの状態」と四輪車のアフリカ担当者。警察仕様の二輪車も披露し、現地当局への売り込みを図る。

 製材機械を手掛けるヒロタ(島田市)は、レーザー測量で木材の加工精度を高めた装置を提案する。長瀬幸弘統括部長は「アフリカでは古い機械や手作業での製材が主流で、活用せずに捨てている部位が多い」と指摘。廃棄することが多かった樹皮を燃料や飼料として有効利用するための粉砕機もパネル展示している。

山口商事が富裕層向けに販売を目指すシャンプー=横浜市西区のパシフィコ横浜で

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 経済成長に伴う「おしゃれ需要」に着目する企業も。山口商事(浜松市浜北区)は、国内の美容室に販売する自社ブランドのシャンプー「ラストアンサー」を富裕層向けにPRする。ココナツ、バナナと香りの種類も豊富で「洗った後も香水のように楽しめる」と山口哲平代表。既にアフリカ南部のモザンビークで自動車の中古部品を扱っているが、「各国の進出で価格競争が激しくなっている。長期的な発展を踏まえた商売をしたい」と見据える。

 展示会は日本貿易振興機構(ジェトロ)主催で、TICADと同じく三十日まで開かれる。主に企業関係者向けで、来場は事前登録が必要。

◆自社拠点進出 県内わずか3社

 豊富な天然資源があり、十億人規模の人口が二〇五〇年には倍増すると予想されるアフリカ。この巨大市場への事業展開は、経済圏の拡大戦略を掲げる中国が優位に立ち、日本は後れを取っている。自前の拠点を構える県内の企業数も一桁にとどまる。

 ジェトロによると、一六年の主要国の対アフリカ輸出額は約五十兆円で、十年間で一・六倍に増加。中でも首位の中国は三・二倍で全体の16・7%を占め、携帯電話、衣類、履物、機械類、二輪車で圧倒的なシェアを誇る。日本からは一九七〇〜八〇年代に多くの企業が進出したが、政情不安や成長傾向のアジア市場への方向転換もあり、撤退が相次いだ。ジェトロ担当者は「思うようにアフリカ市場への回帰を果たせず、戦略を描けていない」と指摘する。

 県企業立地推進課によると、二〇一八年四月一日現在でアフリカに自社で事業所を持つ県内企業は三社で、南アフリカとエジプトの計四拠点しかない。日本国内の人口減少やアジアの新興国の成長が一服することを見据えれば、積極展開したいところだが、「海外進出は地域的にはアジアがまだ主流」と同課担当者。アフリカ進出に関する具体的な支援策は現時点ではないが、「県内企業から意見があれば検討していく」と話す。

(久下悠一郎)

 

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