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静岡けいざい

19社減益 米中摩擦の冷気

◆機械や自動車幅広く/さらなる景気悪化懸念

 六月に四半期や期末を迎えた県内の上場企業四十二社(銀行を除く)の決算が出そろった。四〜六月期だけを見ると、前年と比較可能な四十一社のうち十九社が最終減益となり、五社が赤字を計上した。機械や自動車をはじめ、幅広い領域で米中貿易摩擦の影響が業績をむしばみ始めた。

 ヤマハは、中国向けのプリント基板検査装置の売り上げが、米中摩擦による設備投資抑制の影響で減少。川瀬忍常務執行役は「装置業界は全体的にかなり冷え込んでいる」と話した。

 中国経済の減速は主力の楽器にも波及し、高価格帯のアコースティックピアノの販売が鈍化。管楽器は、訪日中国人客向けの販売が減っているという。

 工作機械製造のエンシュウは、中国の自動車関連の設備投資の陰りから二〇二〇年三月期の連結売上高の予想を下方修正した。勝倉宏和副社長は「引き合いは落ちていないが、なかなか受注まで決まらない。(中国側の)投資の決断が鈍ってきている」と話した。

 巴川製紙所は、複写機やプリンター用のトナーの販売が中国で苦戦。経理担当者は「米中摩擦の影響で市場が冷え込む中、競合企業が価格を下げている」と競争の激化を指摘した。

 第三・四半期決算を発表した浜松ホトニクスも、中国を中心とする工作機械の受注減で、工場自動化分野のフォトダイオードなどの売り上げが減った。森和彦取締役管理部長は「景気は先が見えないのが正直なところだ」と語った。

 第二・四半期(中間)決算を発表したヤマハ発動機は、プリント基板に部品を取り付ける表面実装機や産業用ロボットの売り上げが振るわず、一九年十二月期の業績予想を下方修正する一因となった。太田裕之ソリューション事業本部長は「下期も米中摩擦の影響は読み切れない。中国に部品を供給する日本やその他の市場でも影響が出そうだ」と見通した。

 スター精密は、欧州車の部品メーカー向けの工作機械の販売が落ち込み、一九年十二月期の業績予想を下方修正した。欧州車は中国で普及しており、中国の自動車市場低迷のあおりを受けた形だ。

 米中摩擦の一層の激化や景気後退への警戒も。ユタカ技研は、中国子会社から米国子会社に輸出する自動車部品の関税率が10%から25%に上がった影響で、年間百五十万ドル(約一億六千万円)の費用増が見込まれるとして、米国子会社で部品を内製化する検討を始めた。

 特種東海製紙の財務担当者は「さらに景気が悪化すれば、部品や製品の梱包(こんぽう)用資材となる段ボール原紙の販売に影響が出る」と心配した。

(久下悠一郎、山田晃史)

 

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