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静岡けいざい

ユニー どんどんドンキ化

ドンキ流の陳列法や広告を取り入れた売り場=三重県鈴鹿市で

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 総合スーパーのユニー(名古屋市)がディスカウント店「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(HD、東京)の完全子会社となって四日で半年。品ぞろえや陳列でドンキの手法を取り入れた店づくりが進むほか、店ごとに独自の仕入れや値付けを行うドンキ流の運営を目指した研修も始まっている。

 「まるで本が上司のようだ」。ユニーの男性社員が話すのは、子会社になって始まった社員教育だ。本とは、ドンキ創業者の安田隆夫氏(70)がドンキの社内向けに経営理念をまとめた冊子「源流」のこと。関係者によるとユニーの全社員に配られ、その内容を暗記。理解度を試すため、社員は順番に試験も受けている。

 岐阜県大垣市出身の安田氏は、一九七八年に東京で十八坪の小さなディスカウント店を開き、一代で巨大小売業のドンキを築いた。冊子には、顧客の立場になって店舗をつくる「顧客最優先主義」などの企業原理を記載。特に強調しているのが徹底した現場主義だ。

 ユニーはこれまで、本部主導で商品の仕入れや構成を決める「チェーンストア方式」で運営してきたが、ドンキは各店舗が大きな権限を持つ「個店主義」が前提。店舗がそれぞれの戦略に沿って仕入れや値付け、売り場構成などを担う。

 「店ごとの商圏や変化に対応しながら店をつくることが望ましい」。一月からユニー会長を兼任するパンパシHDの大原孝治社長は、二月に東京で開いた中間決算の会見でこう語った。

 今春からは、ユニーが運営するアピタとピアゴの店長らを対象にした研修を始めた。関東や関西のドンキ店舗で、商品の値付けや陳列法を現場で考えるといった三カ月間の研修に励む。今後、ユニーの既存店にも仕入れなどの権限を移譲していく方針だ。

 ユニーの店舗をドンキ流に改装した「MEGAドン・キホーテUNY」などの店舗は、神奈川県で一号店が開業した二〇一八年二月以来、十六店に増え、静岡県内も富士市の二店が改装した。ドンキが強みとする若者向けの衣類や化粧品、家電の品ぞろえを強化。売り場に商品を積み上げる陳列法に加え、「驚安」「渾身(こんしん)の仕入れ」などと書かれた店内広告も多用し、買い物の楽しさを演出する。

 先行した六店の一八年三月〜一九年二月の売上高の合計は前年同期比97%増、営業利益は五億円増えた。一九年は二十三店の改装を予定し、二三年までに計百店の転換を終える計画。アピタ、ピアゴの看板のまま残るのは八十店程度になる見通しだ。

 ドンキ流への転換で若者に顧客層が広がった半面、ユニーの取引先関係者からは「従来の四十代以上の顧客が離れないか」との不安も漏れる。

 六月に開業した三重県鈴鹿市の店舗には、ユニーが運営する中高年向けの衣類専門テナントが転換店で初めて入った。パンパシHDの鈴木康介執行役員は「実績を見ながら他店舗への展開も検討する」と、中高年層の顧客にも目を配る。

(西山輝一)

 

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