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静岡けいざい

車の踏み間違い防止装置普及へ 性能データ収集

◆湖西のバイオスシステム 開発企業に協力

ナンキ工業の南平次社長(左)から「STOPペダル」の仕組みを聞くバイオスシステムの山口哲功社長=湖西市で

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 計測機器開発のバイオスシステム(湖西市)が、自動車のアクセルとブレーキの踏み間違いを防止する後付け装置の普及に向け、開発企業と協力して性能データの収集を始めた。作動までの時間や制動距離の短さなどを数値で示し、装置の導入を考える高齢ドライバーや導入支援を検討している自治体にアピールする。

 六月下旬、バイオスシステム本社。加速度計などの測定機器を載せた自動車が「ウィーン」とエンジン音を上げたのとほぼ同時に、「ピピピ」という警告音が鳴り、車は停止した。

 ナンキ工業(埼玉県川口市)が開発した踏み間違い防止装置「STOPペダル」の試験。人工衛星十八基を利用した衛星利用測位システム(GPS)で計測した結果、車が動いたのはわずか数センチだった。

 同社の南平次社長は、テレビ番組で踏み間違い事故の悲惨さに衝撃を受け、二〇一〇年に防止装置の開発に着手。アクセルペダルとブレーキペダルを連結し、アクセルを「べた踏み」以上に踏み込むと、アクセルに掛かっていた「爪」が外れてブレーキに踏む力が伝わる機械仕掛けの装置を考案し、特許を取得した。

装置を搭載した自動車の計測試験をするバイオスシステムの社員=湖西市で

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 岡山県と埼玉県の協力工場に生産を委託し、今年四月に九万九千八百円(希望価格、税別)で発売。高速道路への進入時などに装置の作動を一時的に止める加速モードもオプションで付けられる。

 同月に二人が死亡した東京・池袋での事故を機に注文が殺到しているが、南社長は「踏み間違い事故を社会からなくしたい」と一層の普及を目指している。そのためには、装置を付けた車の動きを詳細に数値で示す必要があると考え、計測技術に定評のあるバイオスシステムを頼った。同社の山口哲功(てつよし)社長も「踏み間違い事故はなくせるとデータで示したい」と快諾した。

 試験では、踏み込んでから停止するまでの距離や速度変化といったデータを計測。停止や前進、後退といった状況に応じたデータも調べる。七月下旬以降は、作動に必要な踏む力の測定のほか、高齢の女性に十分な踏み込みができるか試してもらう実験も行う。データを検証して来年二月までにとりまとめる。

 「夢は全車種への標準装備」と南社長。山口社長は「自動車メーカーも説得できるレベルのデータを取りたい」と意気込む。

◆販売・導入支援広がる

 高齢ドライバーを中心に多発するアクセルとブレーキの踏み間違い事故。四月の東京・池袋の事故をきっかけに、防止装置の販売や導入支援が広がっている。

 政府は六月の関係閣僚会議で、急加速を抑制する装置の性能認定制度の導入検討を進めるなどの緊急対策を決定。東京都の小池百合子知事は同月、急発進抑制装置の取り付けに補助する方針を表明した。県内でも藤枝市の北村正平市長が意欲を示し、自治体に補助の動きが広がりつつある。

 自動車メーカーも急加速を抑制する自動ブレーキなどの標準装備化を進める。スズキは十七車種のうち十五車種に誤発進抑制機能を搭載し、今後も安全装備の充実を図る。トヨタ自動車は後付けの加速抑制システムの対象車種を拡大する。市販の後付け装置では、データシステム(東京)が製造し、オートバックスセブン(東京)の店舗で販売する「ペダルの見張り番2(ローマ数字の2)」などが人気を集めている。

(山田晃史)

 

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