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静岡けいざい

スマホ決済、群雄割拠 県内金融機関が対応模索

◆静岡銀、次々と連携/浜松いわた信金「本命」探る

 スマートフォンのアプリでQRコードを読み込むなどして代金を決済する「スマホ決済」のサービスが乱立し、県内の金融機関が対応を模索している。主要なサービスと積極的に連携する機関もあれば、「本命」を見極めようと慎重な機関もある。

 静岡銀行は、スマホで決済した代金を自行の預金口座から引き落とす「口座連携」を二〇一七年二月にLINE(ライン)ペイと開始。以来、オリガミペイ、ペイペイ、メルペイと口座連携先を増やした。自行のクレジットカードで支払いができる「クレカ連携」も進めている。

 担当者は「お客さんは特典を見ながら決済サービスを使い分けているので、できるだけ多様な選択肢を用意したい」と話す。

 静岡銀が「本命」と見るのが、メガバンクなどでつくる日本電子決済推進機構が十月に開始予定のバンクペイだ。決済代金を即座に口座から引き落とすデビットカードの仕組みを利用しており、全国の地銀や信金、農協など千以上の機関が参加を予定する。静岡銀の柴田久頭取は「金融機関が相乗りでき、加盟店料も安い。県内のスタンダードとして推進できれば」と見通す。

 一方、浜松いわた信用金庫はじっくりと連携先を選んでいる。県信用金庫協会の方針を受け、昨年十一月にオリガミペイの加盟店を募る代理店業務を開始。今月下旬からオリガミペイとの口座連携を始める。

 今後は、バンクペイへの参加を視野に入れる。IT戦略企画室の福沢裕一室長は「バンクペイは信頼感がある。使える店や特典が多いラインペイ、楽天ペイ、ペイペイといったIT系も強いのでは」と流れを読みつつ、「二、三年先に消えてしまうようなサービスとは組めない。勝ち馬がある程度見えたところで、お客さんの利便性が高いサービスと組みたい」と強調する。

 遠州信用金庫は、県内の信金の中ではスマホ決済の普及に積極的だ。訪日客の消費を地元に呼び込む仕組みをと、昨年一月に中国のスマホ決済サービスであるウィーチャットペイの代理店業務を開始。同七月にはいち早くオリガミペイの代理店業務も開始した。

 鈴木靖常務理事は「キャンペーンが強力なラインペイ、ペイペイとも提携を模索したい」と話す。バンクペイへの参加も予定する。

◆生き残りへ進む普及 安全面の課題残る

 金融機関がスマートフォン決済サービスとの連携に力を入れるのは、引き落としに預金口座を使ってもらうためだ。現金を使わない時代が本格的にやってきた時、有力なサービスが使えなければ、顧客と預金の流出につながる。

 半面、スマホ決済などのキャッシュレスの普及は金融機関にも利点がある。店舗からの現金輸送や現金自動預払機(ATM)の設置を減らせるなど経費削減につながる。ある信金関係者は「消費者、地域、金融の三方に良し」と歓迎する。

 だが、偽造QRコードを使った詐欺や情報の流出など、安全性の確保には課題が残る。停電時には使えなくなる恐れもある。

 政府は二〇一五年に18%だったキャッシュレス決済の比率を二五年までに40%に高める目標を掲げる。十月に予定する消費税増税の景気対策を兼ね、キャッシュレスでの買い物にポイントを還元するが、国内では高齢者を中心に現金決済への信頼感が強く、普及が進むかは不透明だ。

(伊東浩一)

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