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静岡連載

新型コロナニュース 大規模キャンセル、県内ホテル悲鳴

「体調不良の方はフロントまでお申し出ください」などと書かれたホテルの掲示。手指の消毒も呼びかけている=27日、浜松市中区で

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 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、中国政府が打ち出した海外への団体旅行禁止が、浜松市など県内の観光産業を直撃している。中国人客のかき入れ時となる春節(旧正月)の長期休暇の真っただ中で、宿泊施設では大規模なキャンセルも発生しており、関係者は「大打撃だ」と悲鳴を上げる。

 遠州鉄道系のホテルコンコルド浜松(浜松市中区)では二十七日までに、二〜三月に宿泊を予約していた中国人客八百八十五人がキャンセルした。

 遠鉄が中国人客向けに運行を予定していた貸し切りバス三百台、団体旅行千六百人分も予約が取り消された。

 遠鉄は近年、インバウンド(訪日外国人客)の誘致に力を入れ、同ホテルには両月で前年同期の七割増の約七千人の中国人客の宿泊予約が入っているという。中国政府の旅行禁止が三月末まで続いた場合、同社の観光関連事業の営業損失は八千万円に上る見通し。

 遠鉄百貨店(中区)では、二〇一八年度の免税売上高二億円の65%を中国人が占める。今のところ大きな影響は出ていないが、担当者は「禁止期間が長引くと心配」と話す。

 浜松市内の別のホテルでは、中国人客の体調を確認し、人が触れる部屋の鍵やエレベーターのボタン、ドアノブなどのアルコール消毒を徹底している。予約のキャンセルも少しずつ舞い込んでおり、担当者は「今後さらに増えると思う」とため息をもらす。

 浜松市保健所はホテルや旅館業者に対し、発症者が出た際に備え、宿泊者の旅券番号を把握し、名簿の正確な記載を働き掛けるよう二十三日付で要請した。

 浜松市の一八年度の中国人宿泊者は二十八万一千七百三十七人で、外国人宿泊者の75・7%に上る。春節と重なった昨年二月は二万四千五百五十四人だった。一九年度も前年を上回るペースで伸びていただけに、市観光・シティプロモーション課の担当者は「(〇二〜〇三年に流行した)重症急性呼吸器症候群(SARS)の時も収束までに時間がかかった。先が見通せない」と語った。

(久下悠一郎、鈴木啓紀、山田晃史、伊東浩一)

◆県内で計1800人超キャンセル

 静岡県観光協会によると、春節休暇に新型コロナウイルスによる肺炎が影響した宿泊キャンセルは二十七日現在、県内全域で計千八百五十七人(千八十一室)分に達する。

 各市町の観光協会やホテルなどに影響を聞き取りした。うち二十六日までのキャンセルは二百五十七人分(百十一室)、二十七日以降は千六百人分(九百七十室)に上る。

 ホテルからは「中国から渡航禁止となり、ツアー客が100%キャンセルになった」「『中国人の宿泊客がいるか』と確認し、キャンセルする日本人もいた」などの声が寄せられた。

 県観光協会の橋本勝弘専務理事は「静岡のインバウンド客のうち、中国人は大きな割合を占める。観光に大きく影響しそうだ」と話した。

(三宅千智)

 

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