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静岡連載

天皇・皇后両陛下 ゆかりの人を訪ねて(14) 昼食を用意した料理人 秋元健一さん(56)

◆浜松料理に終始笑顔

天皇、皇后両陛下に昼食を用意した際の様子を振り返る秋元健一さん=浜松市中区で

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 「お二人は何一つ残さず召し上がり、『浜松料理をおいしく食べさせていただきました』とおっしゃってくださいました」

 私的旅行で二〇一八年十一月二十八日、浜松市楽器博物館(中区)を訪問された天皇、皇后両陛下に昼食を用意した料理人の秋元健一さん(56)は、感激した様子で振り返る。

 市内で飲食店「じねん」などを営む秋元さんは「浜松でとれるものでうならせたい」と地元の食材にこだわってきた。今回も、腕を振るったのは地物尽くしのお弁当。浜名湖のウナギの白焼きや、アサリのお吸い物、うなぎいもの天ぷら−。天竜スギの箸、遠州綿紬(めんつむぎ)のナプキンといったしつらえにも心を砕いた。

 両陛下は博物館内視察の前に、一室に設けられたテーブル席に向かい合わせに座り、鈴木康友市長らと会食した。秋元さんは配膳も担い、料理の説明をしながら食事を見守った。

 ウナギの白焼きは、すり下ろしたニンニクと塩で味わう珍しい形で用意した。お二人は驚いた様子だったが「浜名湖のウナギはおいしいですね」と笑みを浮かべたという。

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 陛下はハゼの分類など生物学に詳しく、一七年三月には、ウナギの養殖などを研究する南伊豆町の「増養殖研究所」を訪れている。会食ではウナギの生産量が減っている現状にも触れ、「とても案じています。完全養殖の研究もされているようです。早く実現できるように願っています」と話す心遣いもあったという。

 秋元さんはまた、お二人の何げないやりとりも、心温まる場面として印象に残っている。皮に特殊な技法でスマイルマークを描いたミニトマト「ハピフルとまと」を目にした皇后さまは「このトマトは、お顔がついてらっしゃるのですね。ほらこちらです」と竹串を持ってみせた。陛下が「本当ですね。おっしゃってくださればいいのに、食べてしまいました」と残念そうにすると、「お召し上がりになられますか」「どうぞお召し上がりください」と譲り合ったという。

 食事の時間は一時間四十分ほど。お二人は終始笑顔だったといい、秋元さんは「何物にも代えられない幸せを感じました。食材の生産者たちも喜び、誇りにしている。ぜひまた浜松をご訪問いただきたい」と願いを込めた。

(内田淳二)

=おわり

 

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