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静岡連載

天皇・皇后両陛下 ゆかりの人を訪ねて(13) ホテルアンビア松風閣社長の松永勝裕さん(58)

◆一泊に社員総力 準備

ホテルに到着された天皇、皇后両陛下(2001年10月)=焼津市のホテルアンビア松風閣で

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 天皇、皇后両陛下は二〇〇一年十月二十八日、焼津市に完成したばかりの新焼津漁港で開かれた「全国豊かな海づくり大会」に臨席された。大会前日の二十七日に、両陛下が漁港近くのホテルアンビア松風閣へ宿泊するという話がもたらされたのは、二年前の一九九九年のことだった。

 「宮内庁からは『普通にやってもらえればいいです』ということしか言われなかったんですが」と、当時の様子を述懐する社長の松永勝裕さん(58)。「何もしないのは変だ」と、社員一丸となって準備に取り掛かった。

両陛下の食事に使われた食器。行幸啓記念にロビーで展示している=焼津市のホテルアンビア松風閣で

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 まず宿泊部屋の改造に着手した。広さ十二畳半ほどしかなかった最上階の十階の部屋を、二部屋つなげて広い室内にした。ツインのスイートルームにして、駿河湾を一望できるジェットバスを設置した。ホテル内の大会歓迎レセプション会場と展示会場は、クロスやカーペットを張り替えた。両陛下が使う食器は、有田焼の品々をオーダーメードした。「自発的に勝手に準備しました」と松永さんは振り返る。

 当日は、予定時刻ぴったりに到着したお二人を玄関で迎えた。かなりの緊張の中で「ようこそお越しくださいました」とあいさつした。部屋まで案内する先導役を担った。エレベーターでは、四階以上がシースルーのため「外が御覧いただけます」、部屋に向かう廊下では「あそこが大会会場です」と窓の外の景色を紹介し、陛下が「そうですか」と答えてくれたことを覚えている。

 両陛下と話す機会は少なかったが、「終始にこやかで、旅の疲れは全く見せなかった」と印象を語る。翌日、松風閣を後にする際に陛下は「ありがとうございました。お世話になりました」と松永さんに伝え、漁港へ向かった。

両陛下が宿泊した部屋のジェットバス。駿河湾が一望できる=焼津市のホテルアンビア松風閣で

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 「陛下が民間ホテルに泊まるなんて。焼津で海づくり大会が開かれた偶然と縁があったんだと思う。とても光栄だったし、二度とない歴史的な時間になりました」

 陛下が退位する日が近づいている。「大変長い間『国民の象徴』を務められた。その間に松風閣に来られたことには、大変感謝の気持ちでいっぱいです」。松永さんは笑顔でこう話した。

=随時掲載します。

(福島未来)

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