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静岡連載

浜松夜話 プロローグ

 中日新聞東海本社報道部の入社三年目、鎌倉優太記者(26)が自腹で飲み歩きながら夜の街と人を描く連載「浜松夜話(よわ)」を始めます。掲載は不定期。回数未定。遠慮のないご意見、ご感想をお寄せください。ファクスは053(421)5218、電子メールはtkahod11@chunichi.co.jp

◆「酔い縁」 つなぎたい

 「夜の街を飲み歩く企画をやりましょう」。年が明けて間もないある日。浜松市内のとある居酒屋で、中日新聞東海本社報道部の記者七人があーでもない、こーでもないと新聞業界の未来について語り合っていた時だ。私がそう提案すると、向かいに座るヒゲの上司(49)が皿に残った最後のトリカラのことを考えながら言った。「いいんじゃない。経費は出せないけど」

 かくして、動き始めた迷走連載。幾分、酒の勢いに背を押されたことは認めるが、単なる酔狂というわけでもない。そもそも、新聞って事件や事故を除けば、夜の話ってほとんどない。この浜松市民版に載っている記事も、大抵は、お天道様がご存じの出来事だ。しかし、大勢が袖すり合う人間交差点、夜の繁華街で繰り広げられる物語に価値がないはずがない。

 コンビニ前で四つんばいになって、あわやマーライオン、仲間に背中をさすられている大学生。なぜか、所構わず「オイショ!」と叫びまくるお兄さんたち、浜松まつりにはまだ早いぞ。深夜に一人、管を巻く白衣の天使がいれば、誰も聞いていないのにうんちくばかり語る新聞記者も。なんだよ。あらためて考えると、ろくなもんじゃないな。夜の街って。

 でも、そんな人らも、今宵(こよい)の酒を糧に明日への活力を手にしている。そして、彼ら彼女らを支えている飲み屋があり、働く人がいる。いわば、浜松の縁の下の力持ち−というと言いすぎかな、言いすぎだな。とにかく、そんな人々が住む浜松の夜にスポットライトを当てたいと思う。

 不肖、私は九州・宮崎の片田舎生まれ。元来の酒好き。飲んだら書くな、書くなら飲むなは常識だが、この連載に限っては勘弁願いたい。もちろん、お気に入りの店へ足を運ぶが「変なやつだな。うちの店に来てみろよ」というお誘いもあればありがたい。ただし、お世辞は書けない。活字不況の世の中でも、ありのままを記すのが新聞だから。

 さあ、そうと決まれば、まずはあの店のドアを開けよう…。

(鎌倉優太)

 

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