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静岡連載

天皇・皇后両陛下 ゆかりの人を訪ねて(6) 県遺族会会長の杉山英夫さん(81)

◆比島での慰霊 空に虹

自宅でカリラヤを訪れた際の日記をめくる杉山英夫さん=静岡市駿河区で

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 「せっかくお目にかかれるのだから、あの虹のことを話そうと思いました」−。天皇、皇后両陛下は二〇一六年一月二十九日、フィリピンのラグナ州カリラヤにある「比島戦没者の碑」を初めて訪れ、供花された。その会場にバスで向かっていた県遺族会会長の杉山英夫さん(81)は、車中から虹が見えた時にひらめいたという。

 杉山さんにとってフィリピンは、太平洋戦争中の一九四五年六月に陸軍兵だった父が戦死した場所。長年、戦没者慰霊に心を注いできた両陛下の訪問に合わせて、自費で赴いて参列した。

 カリラヤは雨が降っていた。マニラから向かう途中、ふと空を見上げると、ラグナ湖の上にかかる虹が車窓越しに見えた。現地で虹が見えるのは珍しい気象現象といい、杉山さんは「虹が出ている。みんな左側を見て」と声を上げた。

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 正午前、会場に両陛下が到着すると、雲間から日が差してきた。お二人は戦没者の碑に白菊の花束を供え、拝礼した。フィリピンまで足を運んでくれたことに感謝しながら、慰霊の一挙一動を見守った。黙とうが終わると、お二人は参列者の元に歩み寄ってきた。陛下のどこからやって来ましたかという質問に、「静岡県でございます」と答えた。陛下は「これからもお体をお大事にしてください」と声をかけてくれた。

 皇后さまには、陛下に話しそびれてしまった虹のことを伝えようと決めた。

 「ラグナ湖の上に虹がかかっておりまして、英霊の皆さまが出迎えてくれるような思いで、感激しました」−。皇后さまは「よかったですね」とほほ笑んでくれた。

 杉山さんは両陛下について、「近寄りがたいようで近寄りやすい。非常に謙虚なお方々」と振り返る。そして、「これまで大変だったと思います。退位された後は、ゆっくりしてもらえたらと思います」と、ねぎらいの気持ちを表している。

(谷口武)

 

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