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静岡連載

天皇・皇后両陛下 ゆかりの人を訪ねて(5) 細江で漁業を営む永田辰義さん(78)

◆プリンス岬 夏の静養

永田辰義さん宅で飾られている皇后さま(美智子さま)の写真パネル。撮影許可された地元アマ写真家が撮ったもの

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 浜松市北区細江町気賀に住む漁業永田辰義さん(78)は、報道陣のカメラに向かってほほ笑む天皇陛下の後ろ姿を、自宅の軒先から見たことがある。皇太子時代のご一家は一九六八年から計九回、夏の静養のために旧細江町を訪問された。うち八回は、後に「プリンス岬」と称される五味半島内の、県内企業が所有する保養所で過ごした。その隣家で生まれ育ち、働いてきたのが永田さん。地域で数少なくなった漁師の七代目だ。

 「夏場の真夜中にクルマエビ漁に出るのが日課だった。でも、ご一家がお見えになるときは控えた。だって、真っ暗な朝の三時に船から人が上がってきたら、警備陣が慌てるじゃんね」

天皇ご一家静養時の思い出を語る永田さん=浜松市北区細江町で

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 当時は夜操業が主で、日中は自宅で体を休めることが多かった。保養所から浜名湖岸へ出ようとする陛下と偶然出くわしたときのことを、「陛下の方からあいさつをなさった。住民に対する気遣いや礼儀、優しさが伝わってきた」と振り返る。

 ご一家は浜名湖上で和船に乗る機会もあった。陛下自ら櫓(ろ)を握る姿を見て、「うまいな。どこでいつ習ったんだろう」と不思議に思ったりしたという。

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 浩宮さま時代の皇太子さま、秋篠宮さまが自宅のそばで泳ぐこともあった。家族でくつろぐ時間こそ、陛下が強く求めたもの。ご一家として保養所を八回訪れたのも、六七年十一月に七歳だった皇太子さまが、一人で社会勉強のために旧細江町を訪れたことがきっかけとされている。

 五味半島の住民たちも、ご一家のために尽くしたことは良い思い出だ。皇太子さまが西気賀小学校でのソフトボール大会に出たときには、「地元消防団がガードマン役をやらせてもらった」と述懐する永田さん。ご一家が海水浴をする前のエピソードとして、「足場が安定するよう、粒ぞろいの石を敷いて準備したこともあったね」と懐かしそうに語った。

(武藤康弘)

 

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