トップ > 静岡 > 地域特集 > 静岡連載 > 記事一覧 > 2019年の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡連載

天皇・皇后両陛下 ゆかりの人を訪ねて(4) 東伊豆町のミカン生産者 八代良一さん(71)

◆好みの食べ方 話され

両陛下を案内した農園で、当時をふり返る八代良一さん=東伊豆町稲取で

写真

 「国民に寄り添う皇室を体現されていたのかなと思う。自然と会話ができた」。二〇一三年三月二十六日、須崎御用邸(下田市)で静養中の天皇、皇后両陛下が東伊豆町で盛んなかんきつ類栽培の現場を視察された。案内役を務めたミカン農家八代良一さん(71)は、そう振り返る。

 両陛下は、ハウスミカンやニューサマーオレンジなど五種類を手掛ける八代さんの農園やハウス栽培の様子を見て回った。傾斜がきつく互いに手を取り合うなど仲むつまじい姿を見せた。八代さんはニューサマーオレンジの苗木の前で名称の由来について両陛下に説明。「もともと宮崎県で発見されたミカンでヒュウガナツと言います。ローカル色が強く名前が異なり、高知県では小夏と言います」と話すと、皇后さまは「私、その話を聞いたことがある」と興味深そうに答えた。

写真

 両陛下は八代さん宅に休憩で立ち寄った。八代さんは「ごく普通の農家に陛下がいらっしゃるということで、最初に話を聞いた時は困ったなと思った。客間の障子を張り替えて掃除を丹念にした」と振り返る。家の中で、旧細江町原産で宮中に献上されたことがあるネーブルオレンジ「白柳ネーブル」と黄金柑(おうごんかん)が振る舞われた。陛下は「私は(ミカンを)グレープフルーツみたいに切って、サジで食べるのが好きです」と笑顔で話し、皇后さまは「わー甘いです」と喜んだ。八代さんは「庶民的な面をお持ちだなと思った」という。

 両陛下の細やかな気配りが忘れられない。両陛下が到着した時、歓迎のあいさつを任された八代さんは、極度の緊張で声が上ずった。様子に気づいた皇后さまが「大丈夫よ、大丈夫よ」と優しい声でささやいた。陛下も「今年のミカンの出来はどうですか」と案内中に自ら声を掛けてくれた。「案内中に何か言われなければいいな。つつがなく終わればと緊張していたが、普通に話ができた」と懐かしむ。「公務は大変だったと思うので、退位後は少し楽に過ごしていただけたらと願っています」と話した。

(中谷秀樹)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索