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静岡連載

天皇・皇后両陛下 ゆかりの人を訪ねて(1) 浜松市楽器博物館長 嶋和彦さん(63)

 天皇、皇后両陛下は平成の時代の三十年余で、須崎御用邸(下田市)での静養を含め、県内を二十三回訪問された。昨年秋に私的旅行として掛川、袋井、浜松の三市内の福祉施設などに足を運ばれ、多くの人と和やかな時間を過ごされたことは記憶に新しい。天皇陛下が四月に退位されるのを前に、施設でのお出迎えなど、両陛下の訪問に関わった人を訪ねた。

◆豊富な音楽知識に驚き

インドネシアの民族楽器「ガムラン」の演奏を鑑賞される天皇・皇后両陛下と、嶋和彦館長(右)=浜松市中区で(代表撮影)

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 「これは、バラライカですか」「これは馬頭琴ですね」−。

 二〇一八年十一月二十八日、日本で唯一の公立楽器博物館として知られる「浜松市楽器博物館」(同市中区)を初めて訪問された天皇、皇后両陛下は、アジアや欧州のさまざまな楽器を興味深そうに見て回った。お二人を案内した嶋和彦館長(63)は、次々と出てくる音楽に関する知識に驚きながらも、丁寧に質問に答えていった。

 陛下はチェロ、皇后さまはピアノとハープに親しむなど音楽に造詣が深い。嶋館長の目には、「過去の訪問国の楽器と再会しているようにも見えた」という。

 ベトナムの弦楽器「ダン・バウ」を見た際に、両陛下は「ベトナムにもありましたね」と互いにほほ笑み合った。ミャンマーのたて琴を見た際には、陛下は映画「ビルマの竪琴(たてごと)」を思い出したようで、「(主人公の)水島上等兵が弾いたのとは、少し違いますね」としげしげと見入っていた。

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 鍵盤楽器のコーナーでは、「クラヴィコードはありますか?」と皇后さまが尋ねられた。クラヴィコードは、十六〜十八世紀に広く使用され、繊細な音色が特徴。皇后さまはかつて、欧州の有名な奏者の演奏を聴いたことがあり、この楽器がお気に入りだという。

 職員の野口夏菜さん(27)がクラヴィコードを奏でると、両陛下は「すてきな音色ですね」「ありがとう」と感謝の気持ちを表した。野口さんは「実際に話しかけられると思っていなかったので驚きました。花束を渡されたかのような言葉でした」と振り返った。

 同博物館には、一九九七年に秋篠宮さまと高円宮憲仁さま、九八年に常陸宮ご夫妻、二〇〇三年に桂宮さまが訪れており、いずれも嶋館長が説明役を務めた。「両陛下もいつかいらっしゃってくれたらと思っていた。まさか、在位中になるとは思っていませんでしたが」

 見学は約三十五分間に及び、当初の予定から十五分ほど延びた。それでも、両陛下が帰京する時刻が迫り、すべての展示を案内することはできなかった。嶋館長は「退位後もまたいらっしゃってくれたらうれしい。今度はゆっくり伸び伸びと鑑賞してもらえたらいいですね」と次の訪問を願っている。

(鎌倉優太)

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