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県知事選2017

静大AIが絶妙コピー

◆若者向け啓発5000作

 選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられてから、若者の興味を引くキャッチコピー作りが各地で繰り広げられている。二十五日投開票の静岡県知事選では、どんな言葉が若者に届くのだろうか。コピーを考える人工知能(AI)があるという静岡大情報学部(浜松市中区)で、学生と考えてみた。

 AIは、同大の狩野芳伸准教授(38)の研究室が開発した。「選挙」や「投票」などのお題を与えると、際限なくコピーを作成できる。今回作らせたコピーは五千件。文章が破綻した作品が目立ったが、中には「本当にAIが作ったの?」と学生が驚く作品もあった。

 中でも好評だったのが、「当選人形は、もう止めよう」だ。「知名度だけで当選している人は外そうという強い意志を感じる」「当選人形って、政策について深く考えずに投票している人たちのことかも」。AIが生み出した造語から想像が膨らんだ。大学院一年服部充さん(22)は「やっぱり政策の中身を知って投票しないといけない、と思わせる」と話した。

 昨年の参院選が初投票だった二年清田直希さん(19)が推したのが「青春が終わる。18歳が始まる。」。「選挙権は大人の第一歩と思って、昨年は投票した。そのときのイメージが表現されている」と話した。

 投票に行ったことがないという四年黒田和矢さん(21)が「ぐさっときた」というコピーが「国民を休んでませんか」。まるで政治に無関心な人間をAIが問いただしているようなひと言に「申し訳なくなります」。「親の意見と選挙は後で効く」は「おっしゃる通り」と学生たちをうならせた。

 「一票は、つまり怒りだ」「選挙を、占拠しよう」…。他にも完成度の高いコピーが出てきた。AIに触発されたのか、学生からも「生活に不満がないから、みんな投票に行かないのかもしれない」「小学生にも分かるコピーだと、小さいころから選挙に関心が持てる」など、さまざまな意見が飛び交った。プログラミングを担当した四年岩間寛悟さん(21)は「思っていた以上にいいコピーができて、うれしい」と話す。

 狩野准教授によると、AIは、人間と同じように言葉の意味を理解してコピーを作ってはいない。それだけに、今回のような意外性のある作品を生む可能性もあり、実用する際はコピーライターに発想のヒントを与える役割が期待される。狩野准教授は「AIが作ったコピーという話題から、選挙に関心を持つ人が出てくれば」と話した。

(吉川翔大)

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