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名前しんぶん

[熊崎しんぶん]焼いてゆでるギョーザ@沼津

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◆衝撃の技 老舗に行列

中央亭のギョーザは焼いた後、熱湯を注いでゆでる=沼津市大手町で

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 静岡県でギョーザといえば、表面をカリッと焼いた浜松餃子(ギョーザ)!…だけ? いえいえ、沼津市には市民が夢中になる不思議なギョーザがあるんです。焼いた後、ぐつぐつゆでる衝撃の製法。これを食べずして静岡のギョーザは語れない。毎日行列が絶えない老舗店「中央亭」に潜入してみました。

 「平成二十九年十二月二十七日〜三十一日のお持ち帰りのご予約は終了させていただきました」

 店頭の張り紙にいきなり面食らう。まだ三月下旬なのに…。厨房(ちゅうぼう)では店主の古橋正美さん(57)らが慌ただしく準備していた。

 四角い皮に豚肉とキャベツが入った具を載せ、ぎゅっと握る。いなりずしのような丸っこい形が特徴だ。

 フライパンで焼いてきつね色に変わったところで、蛇口から熱湯をドボドボ。数分煮てできあがり。一口かぶりつくと、焼き目の香ばしさがあり、皮からしみ出る煮汁と肉汁が口に広がる。キャベツはゆでてもシャキシャキだ。あっという間に一皿食べてしまった。

焼いてゆでるギョーザ(8個、720円)が人気の中央亭店主・古橋正美さん

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 それにしてもなぜ、ゆでるのか。正美さんは「謎なんです」と笑う。正美さんの祖父母が戦前に中華そば屋台を始め、戦後、ギョーザ専門店になった。「戦後の貧しい時、ゆでてふっくらしたギョーザでおなかを満たしたのでは」と想像する。

 現在は毎日二千三百個つくり、開店一時間ほどで完売する。正美さんは「昔と変わらないねと言われるのが一番うれしい」と話す。

 店を出るとすでに行列ができていた。並んでも食べたくなる魅力って? 六十代の女性に聞くと、「なぜか分からないけど、しばらくすると食べたくなるのよ」。私もそろそろ恋しくなってきた。

◆裾野は緑色の水ギョーザ 「日本一ギョーザ好きの街」

 裾野市には約三十店で味わえる「すその水ギョーザ」がある。地元産モロヘイヤを練り込んだ緑色の皮に包まれ、具に茶葉を使用。春雨スープと味わうヘルシーなギョーザだ。

和風レストラン「みよし」が提供する「すその水ギョーザ」(税抜き580円)=裾野市御宿で

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 二〇〇六年、市商工会や市職員の有志が開発した。実は、裾野は「市民一万人あたりギョーザを扱う店数が日本一」なんだとか。〇二年、市職員の独自調査で六.〇四軒と分かった。「日本一ギョーザ好きの街」として、まちおこしを狙った。

 商工会の勝又豊さん(61)のおすすめは「そのままゆでて、ぽん酢とネギで」。さっぱりしてビールにも合うそう。「浜松餃子もみんな仲間。一緒に静岡のギョーザを盛り上げたい」と熱く語った。

 熊崎未奈(くまざき・みな) 岐阜県出身の25歳。記者4年目。週1回は食べるギョーザをはじめ、県東部・伊豆のおいしいグルメに目がない。1年半前に赴任して以来、感動したのは「キンメダイのしゃぶしゃぶ」と「ワサビ丼」。

 

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