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くらしの知恵袋

避難所生活体験 地域リーダー育成大切

避難所運営ゲーム「避難所HUG」を体験する住民=磐田市内の公会堂で

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 近年、国内各地で大規模な地震や風水害など、想定を上回る自然災害が多発している。家屋倒壊や停電、断水などの影響で、通常の生活が送れなくなることを常に意識しなければならない時代だ。被災者は、地元の公民館や小中学校などに設置される避難所での生活を余儀なくされる。実際の避難所生活はどんなものなのか。県内自治体の先駆者として、市内全域の住民に一泊二日の避難所生活体験を実践している磐田市の取り組みを取材した。

 残暑厳しい夏休み終盤の夜。磐田市青城小学校に地域住民ら約五十人が集まり、炊き出しやテントによる共同生活で一夜を過ごした。住民らが協力し合って仮設トイレやテントの設営、非常食の調理などに汗だくになって取り組んだ。

 「何をするにも勝手が分からず、想像以上に大変だった」と振り返るのは自治会防災部の鈴木良延部会長。避難所運営マニュアルがあっても、共同作業ははかどらず、現場を仕切るノウハウを備えたリーダーの育成が大切だと感じた。

 磐田市は昨年から、大規模災害時に避難所となる磐田市内各地の交流センターや小学校などに地域住民が宿泊し、避難所生活を体験する試みをスタートさせた。市内全二十三地区に分けて実施し、それぞれの地域性に合った運営を実践し、課題を洗い出すことが狙いという。

 各地区では、自治会役員らが中心となって独自の運営本部を立ち上げ、水道を使えない状態にして一夜を過ごしたり、暗闇の中で非常食の調理や身元確認をしたりするなど、避難所の不便さを体験した。

 子どもから大人まで約八百人以上が参加し、「体験してみないと分からないつらさがあった」「段ボールハウスの空間は狭かった。ここで数日過ごすとなると厳しい」「地域で助け合う大切さが分かった」などの意見があった。

 市は、各地区の住民が防災のリーダーとして活躍する「ふじのくに防災士」の資格取得を呼び掛けるなどし、より実践的な内容にする計画だ。市の担当者は「体験を重ねて参加者を増やし、内容をバージョンアップしていくことが重要。各地域で活躍できる人材を育成し、いざというときに備えたい」と話している。

◆ワンポイントアドバイス 「ゲーム形式で運営学習も」

 県は避難所運営をゲーム形式で模擬体験できる「避難所HUG」の活用を呼び掛けている。県が独自に開発したゲームで、避難者の年齢や性別、国籍などが書かれたカードを、避難所に見立てた体育館などの平面図に適切に配置し、避難所生活で発生するさまざま問題の対処方法を疑似体験する内容。

 ゲームを通じ、要援護者に配慮した部屋割り、炊き出し場や仮設トイレの配置、効果的な生活空間の確保、マスコミの取材対応など実践的で効果的な避難所運営を学ぶことができる。県内外の自治体などが防災訓練などに取り入れ、好評を得ているという。

 県地震防災センターなどが避難所HUGの体験会を定期的に開催し、活用方法などをアドバイスする。(問)県地震防災センター=054(293)5676

(夏目貴史)

 

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