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くらしの知恵袋

介護食作り こつ伝授 ペースト状にしてプリンのように固めて

介護食のプレート。白身魚のムニエル(中)とカニクリームコロッケ(右)。奥はニンジンや大根の野菜類の付け合わせ

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 おいしい食べ物には、人を幸せにする力がある−。加齢による筋力の低下や脳の病気によるまひで、かんだり飲み込んだりできない「摂食嚥下(えんげ)障害」の人にも食事の楽しさを感じてもらおうと、介護食のフルコースを提供する洋食レストラン「食楽工房」(浜松市北区細江町)が今年、十周年を迎えた。シェフの古橋義徳さん(68)から、長年の経験で得た、おいしい介護食の作り方のこつを教えてもらった。

 「健常者と障がい者が同じ食事を楽しむ」が店のモットー。アレルギーなどがなければ、前菜をはじめ、肉や魚のメイン料理、デザートまで健常者と同じ料理をペースト状にしてプリンのように固め、介護食に仕上げる。手順は(1)料理を作る(2)ミキサーで細かくする(3)固めるの三段階。単純に思えるが、それぞれポイントがあるという。

介護食のフルコースを作る古橋義徳さん(左)と妻たず子さん=いずれも浜松市北区細江町の「食楽工房」で

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 まずは料理。「ミキサーに掛けられるならどんな料理でもOK」で、店ではステーキやコロッケ、白身魚のムニエル、浜松ギョーザなど多彩なメニューを並べている。どの料理も介護食にする際には歯応えや食感をなくすため、「味」と「香り」を引き出すことが重要だ。特に火を通すものは、しっかりと焼いたり、揚げたりすることで香ばしさを引き出すのがポイント。

 料理のあら熱が取れたら、次は一対一の量で水を加えてミキサーへ。食べる人の健康状態に合った細かさに調節する。古橋さんと一緒に介護食を作る妻たず子さん(66)によると、水の代わりに、和食はだし、洋食は牛乳やコンソメスープと混ぜると味がまとまる。

 最後は凝固剤と混ぜてバットやカップに流し込み、冷蔵庫で約二時間冷やす。凝固剤はゼラチンが手に入りやすいが、常温で溶けてしまうので温かい料理には不向き。ネット通販や薬局で購入できる介護食用のゲル化剤がおすすめだ。

 メイン料理は、約六〇度の湯で温めて皿に盛り付ければ完成。仕上げにあたり、さらさらしたたれは誤嚥(ごえん)する危険があるため片栗粉などでとろみをつける。

 古橋さんは「介護食は手間がかかるので、作る人は頑張りすぎないでほしい。誕生日など特別な日だけでもいいので、皆で楽しい時間を過ごすことができれば」と話した。

◆ワンポイントアドバイス 「色合い大事に盛り付けを」

 食品を混ぜて仕上げる介護食は、地味な色でドロッとした見た目になりがち。古橋さんは「料理は見た目もおいしさの一つ」と強調する。特に注意が必要なのは野菜類。複数の種類をミキサーで混ぜてしまうと、もともとの味が引き出せないことに加えて、色が濁る。

 野菜はそれぞれ塩、しょうゆで味付けしてミキサーでつぶし、バットに流し込んで固め、切り分けて使う。「大きめに切るとメイン料理の付け合わせに。小さく刻んで三種類ほどをあえるとサラダになる」と活用方法を説いた。

 古橋さんは介護食の料理教室も開いている。メニューは要相談で、場所は店内または出張も可能。(問)食楽工房=053(522)5312

(大城愛)

 

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