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くらしの知恵袋

手話で簡単あいさつ 閉じて・開いて・おじぎ「こんにちは」

写真上から<1>閉じて<2>開いて<3>おじぎ

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 手話でまずはあいさつから−。県は昨年三月、手話言語条例を施行し、「手話であいさつを」運動を進めている。覚えておくと役に立つ、基本のあいさつなどを学ぼうと考えた。

 県聴覚障害者協会(静岡市葵区)の小倉健太郎事務局長に話を聞いた。基本として、小倉さんは「こんにちは」(目の前で交差した両手を左右に開き、両手の人さし指をおじぎのように軽く曲げる)、「ありがとう」(水平にした手の甲から、もう片方の手を立てて垂直に上げる)を紹介。「表情をつけて、相手の目を見ることが大切」と説明した。

 県は二〇一九年度、県民が手話で簡単なあいさつができることを目指す「手話であいさつを」運動を実施。イベントや小中学校に、手話の知識・技能にたけた「手話あいさつ運動推進員」を派遣し、手話が言語であることへの理解を促したり、あいさつや自己紹介の手話を指導したりする。県聴覚障害者協会によると、推進員養成講座には、百七十五人の定員に対し四百人弱の応募があったという。

 県・市町の職員向けの手話入門講座も、来年一月末まで随時開かれている。八月上旬、県庁であった一時間半の講座後に、参加者に感想を尋ねた。ある女性職員は「手の動きが速い。会話になると特に難しい」、別の男性職員も「簡単そうに見えてなかなか大変だった」と苦笑した。

手話を学ぶ県職員たち=県庁で

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 一歳半で聴覚を失った小倉さんは「英語の『サンキュー』『ハロー』は誰でも知っている。それと同じ感覚で、誰もが手話であいさつできるように広めていきたい」と強調。「『伝わらないから』とろう者(=聴覚障害者のうち、手話を言語として日常・社会生活を営む人)と距離を置くのでなく、目を合わせてあいさつすることから始めてほしい」と力を込めた。

(三宅千智)

 <手話言語条例> 「手話が言語である」との認識に基づき、手話の普及に必要な事項などを定める。2013年に鳥取県で初めて制定され、静岡を含む26道府県で制定されている(19年7月現在)。県内では浜松、富士宮など9市町で制定されている。県によると、県内の聴覚・平衡機能障害者は9500人(19年3月末現在)。うち手話をコミュニケーション手段とするのは2割弱の約1800人と推計されている。

◆ワンポイントアドバイス 習得へ「見て使う」繰り返して

 県障害福祉課は動画投稿サイト「ユーチューブ」で手話のあいさつや「おめでとう」「何」など簡単な単語を学ぶ動画(十一分半)を配信している。家族の会話で手話を学ぶミニドラマ(六分半)もある。

 ともに手話通訳士の井上栄子さん(県西部健康福祉センター)と野田陽子さん(県東部健康福祉センター)に手話を覚えるこつを尋ねると「何度も繰り返し見る」(野田さん)、「覚えた手話を忘れないように家族や職場の人たちと使ってみること」(井上さん)という。日常会話レベルまで習得するには「英語などの言語を学ぶのと同じ。少なくとも三〜五年はかかる」と口をそろえた。

 覚えておくと役に立つ手話を聞くと、井上さんは人さし指を立てて左右に振る「どうしたの(何)?」を挙げた。「『何かサポートが必要ですか』という手助けの意思表示になる」

 筆談する際は、要点を絞って箇条書きなどで完結に書き表すことがポイントという。

 

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