トップ > 静岡 > 地域特集 > くらしの知恵袋 > 記事一覧 > 2019年の記事一覧 > 記事

ここから本文

くらしの知恵袋

カラーUD 知って 色弱者への配慮もっと

カラーUDの必要性を説く横山明子さん=浜松市南区で

写真

 店の看板や道路の標識、電車の案内表示−。街にはさまざまな色があふれるが、生まれながらにして色を見分けにくい色弱者は全国に三百万人以上いるとされる。ユニバーサルデザイン(UD)というと身体の障害に注目がいきがちだが、色弱者への配慮としてカラーUDという概念が広まりつつある。

 日本眼科学会によると、先天的な色弱は遺伝が原因で、日本では男性の二十人に一人、女性の五百人に一人の割合で現れる。緑と赤、オレンジと黄緑の区別がつきにくかったり、色の組み合わせによって見づらかったりし、治療法はない。

 色弱者でも見分けやすい配色で、適切に情報を伝えられるように配慮したのがカラーUD。県によると、静岡文化芸術大(浜松市)やプラサヴェルデ(沼津市)といった公共施設で、案内表示やトイレのマークの色に取り入れられている。県のホームページは背景と文字の色を変更できる。

写真

 浜松市は三月、「メディア・ユニバーサルデザインガイドブック」を発行。色弱者の色の見え方や適切に情報を伝える方法などを載せた。市のホームページからダウンロードできる。災害の危険箇所を伝えるハザードマップも危険度を示す部分で見分けづらい点があったが、配色を明瞭にして目立たせた。

 民間でカラーUDの普及に取り組む動きも。個人に色のアドバイスをする「アートカラー」(同市南区)を運営する横山明子さん(41)は二〇一六年、はままつカラーUD研究会を発足。色弱者や家族向けに講座を開くなどしてきた。

 横山さんは知人から子どもの色弱を相談され、「一般の人への理解を広めたい」と考えた。スポーツでユニホームの色が見分けられなかったという。「お店のメニューや看板など身近に色は使われる。色弱者に優しい色使いが浸透するよう活動していきたい」と意気込む。

◆ワンポイントアドバイス 「理解深め差別ない社会に」

 色弱者はパイロットや鉄道の運転士など特定の職業や、理系の大学への進学を制限されるなどした経緯があった。差別の問題と切り離せない。

 色弱かどうかを調べる「色覚検査」は戦前から学校で行われたが、当事者団体などから「人権侵害につながる」との批判があり、二〇〇二年に健康診断の必須項目から外れた。しかし、自身が色弱だと知らないまま過ごし、就職時期になってから希望してきた職に就けないことが判明するといったケースが出てきた。文部科学省は一四年、児童や生徒が色覚の特性を知らないまま大人になり、不利益を受けないよう、希望者への検査を学校で行うように通知した。色覚検査を学校で受けていない人も、眼科で診断できる。

 横山さんは「本当の意味で色弱のことを理解する世の中になれば、差別はなくなるはずだ」と指摘。「個性だと尊重し、色弱やカラーUDの考え方が広がってほしい」と期待する。

(坂本圭佑)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索