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若年性認知症 診断されたら どうすれば… 支援制度 上手に使って

家族会「レインボー」の茶話会で配られた、レインボーや県の相談窓口のチラシ=浜松市中区で

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 六十五歳未満が発症する「若年性認知症」。働き盛りも多い年代で、治りにくいとされるだけに本人や家族の戸惑いは大きい。診断されたら、どう向き合えばいいのだろう。 

 まず、どこで気付くのか。浜松市の家族会「レインボー」代表の主婦えりさんは、母親が六十歳の時、さっき言ったことを繰り返すなど「『天然』で片付けられなくなって」受診。若年性認知症と診断された。

 全国若年性認知症支援センターによると、仕事や家事でミスしても認知症と思わず、疲れや更年期障害などと勘違いする当事者が多い。若い人でも認知症があると理解し、かかりつけ医などの受診を呼び掛ける。

 若年性認知症と診断されると受けられる支援制度がある。四十歳から利用できる介護保険や、当事者に代わって弁護士や福祉関係者が預貯金を管理するなどの成年後見制度だ。

 窓口は、介護保険なら市町村役場、成年後見制度なら家庭裁判所とさまざま。頼りになるのが「若年性認知症支援コーディネーター」。都道府県ごとに配置され、制度だけではなく、医療や就労の相談、家族会の紹介までしてくれる。

 静岡県の若年性認知症相談窓口は祝日などを除く月、水、金曜の午前九〜午後四時に開設。電話番号は054(252)9881。

 心のケアも重要だ。えりさんは「本人が一番つらい。家族に負担を掛けていることも分かっている」と話す。当事者は、これまでと違う自分の行動に驚いたり、家族に迷惑を掛けていることを自覚して自分を責めたりしてしまうという。

 義母を介護してきたレインボーの辻村有紀さんは、「死にたい」とこぼし、習い事を次々にやめる義母の姿を見てきた。「つらさは本人にしか分からない。家族に言いづらく、仲間をつくるのも難しい」と指摘する。「家族会に出たり、打ち明けられる人を見つけたりして、認知症を少しずつ受け入れることが大事」と話した。

◆ワンポイントアドバイス 「家族の不安 談笑で解消」

 患者の家族は、仕事や子育てに追われていることも多い。昨夏レインボーを発足させ、毎月茶話会を開いてきたえりさんは「当事者や家族だからこそ共有できる気持ちがある」と語る。

 母親が診断された時、祖父が認知症で夫は単身赴任だった。小学生、幼稚園児、乳児の三人の子どもがいたが、周りのママ友に理解されずに「追い詰められた」という。

 「家族の不安は、本人にも周りにも悪影響」とえりさん。この五月にはバーベキューで世代を超えて交流した。「当事者ごとにケアの仕方は違う。談笑しながら互いのやり方を話し合い、ストレスも悩みも解消しましょう」と呼び掛ける。

 レインボーについての問い合わせは浜松市社会福祉協議会浜松地区センター=電053(453)0553=へ。

<若年性認知症> 厚生労働省の推計では、全国で約3万8000人いる。判断力や理解力、思考力が低下し▽数日前から数分前のことが思い出せなくなる▽時間や場所が分からなくなる▽それまで作れていた料理がうまくできなくなる−といった症状が出る。政府は2015年に「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を策定し、対策強化を盛り込んだ。

(鈴木凜平)

 

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