トップ > 静岡 > 地域特集 > くらしの知恵袋 > 記事一覧 > 2019年の記事一覧 > 記事

ここから本文

くらしの知恵袋

身近にある依存症 県や市の診療活用を

 「依存症は病気」だと認識する人は増えたが、多くの患者はいまも十分な治療、支援を受けられず、体調不良や人間関係の悩みなどを抱えている。静岡市こころの健康センター(精神保健福祉センター)の松本晃明所長(精神科医)は「少しでも多くの人に依存症を理解してもらい、治療につなげてほしい」と訴える。

 全国にギャンブル依存症患者は七十万人、アルコール依存症患者は五十七万人いるとされるが、治療を受けているのはそれぞれ四千人、三千三百人と一部だ。

 患者は自らギャンブルやアルコールにのめり込む姿を想像されがちだが、実際は苦しみを抱えながら社会生活を送っている。

 依存症は「否認の病」ともいわれる。返しきれない借金、家族とのトラブル、慢性的な体調不良を抱えながら「恥ずかしい」「家族に頼れない」などの理由で、他人の助言を受け入れられないことが名前の由来。松本所長は「本人が自分の状態を分かっているからこそ否認する」と強調する。

 かつては破産、酒の過飲による大病など、どん底を体験しないと治療できないとされたが、今では、できるだけ早期に治療が必要だとの考えが一般的だ。

 こころの健康センターでは非常勤を含む医師三人、精神保健福祉士四人、心理士四人、保健師二人の体制で、主にギャンブル依存症とアルコール依存症の相談に乗っている。

 電話などで予約した上で受診し、二回程度、症状や治療法の説明を受ける。アルコール依存症は専門の医療機関、ギャンブル依存症はセンター内で当事者同士のミーティングや、精神保健福祉士らの面談を受ける。センター内での治療は無料となっている。

 ギャンブル依存症患者の多くは約半年以内で治療プログラムを終えるが、依存欲求との戦いは一生続くという。センターで治療に当たる臨床心理士の石川裕希さん(36)は「やらないように気を付けている状態を『回復』と呼んでいる」と話している。

◆ワンポイントアドバイス 症状知ること第一歩

 依存症は患者本人の努力だけで治すことは難しい。石川さんは「ギャンブルをしたり、アルコールを摂取したりする回路が脳にできている」と説明する。

 ある行為から得られる刺激や興奮にのめり込む「プロセス依存」の状態にあるため、本人、家族が症状を知ることが第一歩となる。センターも家族教室を開催。依存症患者や、依存症が疑われる人の家族が十人程度集まり、日常生活の経験を話し合ったり医師のアドバイスを聞いたりする。

(瀬田貴嗣)

<本人、家族からの相談は>

県精神保健福祉センター 054(286)9245

浜松市精神保健福祉センター 053(457)2709

静岡市こころの健康センター 054(262)3011

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索