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くらしの知恵袋

生活、仕事に支障「もしや」 大人の発達障害増

「気軽に相談してほしい」と話す相談員の山川道夫さん=静岡市駿河区の市発達障害者支援センター「きらり」で

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 対人関係や読み書きなど日常生活に支障をきたす「発達障害」。市民に認知されてきたことで大人からの相談も増えている。県や静岡市発達障害者支援センター「きらり」(静岡市駿河区)の相談員に現状と対策を聞いた。

 発達障害は、先天的な脳機能障害の一種。対人関係がうまく築けない「自閉症スペクトラム障害」、集中力に欠ける「注意欠陥多動性障害」、読み書きや計算が苦手な「学習障害」がある。

 根本的な治療法は確立されていないが、投薬などで緩和するケースもあり、幼年期での早期発見が大切とされる。

 県によると、政令市以外を担当する県発達障害者支援センター「あいら」(静岡市駿河区)に二〇一七年度に寄せられた成人期の相談件数は、全体の六割超に当たる八百六十二人。四年間で約二百人増えた。

 政令市でも、静岡市のきらりで二百五十九人、浜松市発達相談支援センター「ルピロ」(浜松市中区)で三百八十四人といずれも増加傾向にある。

 県やきらりによると、二十代前半が「就職できない」と相談する例が最多だが、幼年期や学生時代に発達障害の行政支援を受けてこなかった三十〜四十代が、社内で一定の立場になったタイミングで症状に気が付き、相談する例も。上司に連れられて来る人もいる。

 二〇年四月にも県は、センターを県東部と志太榛原・中東遠地域の二カ所態勢にする。民間委託にして、複雑化する成人期の支援にも力を入れる。担当者は「成人期でも早い段階で障害を見つけることで、障害との上手な付き合い方が学べる。今後も早期発見・療育を目指す」としている。

◆ワンポイントアドバイス 得意・不得意理解して

静岡市発達障害者支援センター「きらり」の相談室。シンプルで相談しやすい環境にしている

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 「発達障害かもしれない」と思ったら、まず何をすればいいのか。「きらり」の相談員、山川道夫さん(65)は「勇気はいるが、家族や同僚など信頼できる人に打ち明けて」と話す。

 センターによると、成人期の発達障害は、同じミスを繰り返す、上司や顧客に失礼な言動・行動を取るなどの症状が現れやすい。

 インターネット上には、さまざまなセルフチェックシートがある。センターも「自分のことを知るきっかけになる」と推奨する。ただ「障害がなくても当てはまることが多いので、参考程度に」と山川さん。

 周囲はどう接すればいいのか。山川さんは「得意・不得意なことを理解し、苦手なことは直すのではなくカバーしてあげることが大切。理解者がそばにいれば、得意なことで実力を発揮してくれる」と強調する。

 センターでは就労先や医療機関の紹介、就労後のフォローもしている。山川さんは「匿名での電話相談も受け付けている。気軽に相談してほしい」と呼び掛ける。(問)あいら=054(286)9038、きらり=054(285)1124、ルピロ=053(459)2721

(広田和也)

 

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