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イチ推し

椎ノ木谷保全の会 地域で守り 次世代に

◆浜松駅から5キロ 希少植物、ホタルも

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 JR浜松駅から北西へ約五キロ。浜松市中区富塚町に「椎ノ木谷」と呼ぶ県内初の特別緑地保全地区がある。地区を守る「椎ノ木谷保全の会」の荒木信幸代表(80)=写真=と共に豊かな自然が残る椎ノ木谷を歩き、次世代へとつなぐ保全活動を見学した。

 椎ノ木谷の広さは約七ヘクタール。希少な「ミカワバイケイソウ」や「ナガボナツハゼ」などの植物三百八十五種が生息。アオサギやトビ、カワセミなどの鳥類三十四種、ゲンジボタルやオニヤンマ、シオカラトンボなどの昆虫二百十一種も飛び交う。

 エリア内は、希少な動植物を保護するため、立ち入りを制限する「保全ゾーン」と昭和三十年代の里山を復元する「里山再生ゾーン」に分類。取材ができた里山再生ゾーンを歩くと、ふかふかの落ち葉の上のそこかしこにドングリが。近くの川は時季が来ればアユが群れをなして泳ぎ、透明度も抜群。「川遊びをする子どもにとっては天国ですよ」と荒木代表はほほ笑む。

 案内してもらった日は第四日曜日で、ちょうど保全の会の活動日。メンバーや地元の高校生ら約三十五人が午前九時から竹林の手入れや落ち葉拾いに汗を流した。

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 「ノウサギのふんを見つけました」と教えてくれたのは、春にワラビの芽が出やすいよう、生い茂るササを刈っていた保全の会メンバーの小林芽里さん(47)。「今は全国的にもノウサギが減少しており、貴重なんです」と胸を張った。

 里山の復元といっても、草刈りや間伐など多くは力仕事。地元の浜松城北工業高校環境部の若い力も大きな戦力だ。

 同高一年の近藤遼芽(りょうが)さんは「重労働で大変だけど、さまざまな世代の人と交流ができて楽しい」とにっこり。「地球に優しいエンジニアの育成」を目標に掲げる環境部の飯尾美行顧問は「メンバーから『ありがとう』『ご苦労さん』と声を掛けられ、笑顔になる子どもたちが増えた」と教育効果を指摘する。

 目下の悩みはメンバーの高齢化。荒木代表は「メンバーで話し合い、試行錯誤を重ねながら、よりよい保全の在り方を探りたい」と話し、会への参加を呼び掛けた。

 <椎ノ木谷保全の会> 2003年7月に設立。希少種の保全と昭和30年代ごろの里山風景の復元を目指し正会員30人と賛助、家族会員70人が活動中。定例の活動日は第2、第4日曜日の午前9時〜正午。17年に中日ボランティア賞受賞。(問)浜松市緑政課=053(457)2597

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角野峻也記者(報道部)

 ヘビースモーカーだったが1年半前に卒煙し、体重が15キロ増加。イラストより顔が丸くなった。今回の取材で歩いた歩数は約3000歩。ちょっと得した気分になった。市中心部に近い富塚町に、こんな豊かな自然が残っているのは知らず、驚いた。

 

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